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最判昭和36年4月21日

処分が取り消された後は、国家賠償目的であっても無効確認の訴えの利益はない。国賠請求に取消判決等の先行は不要である。

行政法国家賠償法1条行政行為(効力・瑕疵)取消訴訟の訴訟要件本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:予備H29・予備H30・予備R7

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和35(オ)248 宅地買収不服、所有権確認請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第15巻4号850頁
参照法条
行政事件訴訟特例法1条,国家賠償法1条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

行政処分無効確認訴訟提起後に右処分が取り消された場合と訴の利益。

裁判要旨

行政処分無効確認訴訟は国家賠償請求の目的で提起されたものであるからといつて、処分庁が右処分を取り消した後においても、なおその法律上の利益があるということはできない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人B農業委員会の前身であるD農地委員会は、昭和23年12月16日、自作農創設特別措置法15条に基づき本件買収計画を樹立し、公告した。ところが、買収令書が交付される前に買収申請が取り下げられた。そこで同委員会は、昭和27年5月28日に本件買収計画を取り消す旨を決議し、その頃これを公告した。

上告人は本件買収計画の無効確認等を求めて訴えを提起した(事件名は「宅地買収不服、所有権確認請求」)。原審は次のように判断した。

  • 無効確認請求の控訴は、一審判決を是認して棄却した。
  • 控訴審で追加された新訴は、訴えの利益を欠くとして却下した。

上告人は上告し、主に次の点を主張した。

  • 本訴は委員会の不法行為による国家賠償を求める目的に出たものであるから、計画の取消後もなお無効確認の利益がある。
  • 強行法規である買収要件規定に違反した処分は当然無効である。

争点

  • 処分庁が行政処分を取り消した後も、その処分の無効確認を求める法律上の利益が残るか
  • 国家賠償請求の目的で提起されたことが、取消後の無効確認の訴えの利益を基礎づけるか(国賠請求に取消判決・無効確認判決の先行が必要か)
  • 強行法規違反は常に行政処分の当然無効原因となるか
  • 控訴審で訴えの変更により追加された新訴の判断方法

判旨

上告棄却。

  • 取消後の無効確認の利益:本件買収計画は、買収申請の取下げによって瑕疵を帯びた。その瑕疵を理由とする取消しにより、初めに遡って存在を失った。したがって、上告人は計画の無効確認を求める法律上の利益を欠くに至った。
  • 国賠目的と訴えの利益:行政処分が違法であることを理由として国家賠償を請求するには、あらかじめその処分について取消し又は無効確認の判決を得る必要はない。そのため、国賠を求める目的に出たというだけでは、取消後もなお無効確認の利益があるとする理由にならない。
  • 無効の基準:強行法規違反が常に当然無効原因となるわけではない。違背が重大かつ明白と認められる場合に限って当然無効となる。
  • 控訴審で追加された新訴:控訴審での訴えの変更により追加された新訴は、事実上一審として判決すべきである。請求の基礎が同一でも、請求自体は別個である。

判決文から

「本件買収計画は、買収申請の取下により瑕疵を帯びるに至り、右瑕疵を理由とする取消により、初めに遡りその存在を失うに至つたものと解すべきであるから」

取消しの遡及効により無効確認の対象が消滅する

「行政処分が違法であることを理由として国家賠償の請求をするについては、あらかじめ右行政処分につき取消又は無効確認の判決を得なければならないものではない」

国賠請求に取消判決等の先行は不要という規範

「強行法規の違背が常に行政処分の当然無効の原因となるものと解すべきではなく、その違背が重大かつ明白と認められる場合にかぎつて当然無効の原因となるものと解すべき」

無効の重大明白説を確認した部分

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。