最判昭和34年8月7日
土地譲渡の際に地上立木の所有権を留保しても、登記または明認方法がなければ土地の取得者に対抗できない
出題:司法H26・司法R6・予備R6
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和30(オ)499 山林所有権確認等請求
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 民集 第13巻10号1223頁
- 参照法条
- 民法177条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
地上立木の所有権を留保して土地のみを移転した場合右留保につき対抗要件を要するか。
裁判要旨
土地の所有権を移転するにあたり、当事者間の合意によつて地上立木の所有権を留保したときは、該留保を公示するに足る方法を講じない以上、これをもつてその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗しえないものと解すべきである。
解説
事案
本件三筆の山林は、もともとBの所有であった。Bは昭和20年7月14日、地上立木の所有権を自分に留保し(7番地上の雑木を除く)、地盤である土地だけをDに売却した。その後、Dの相続人Eが、昭和24年2月2日、山林を立木も含めた一体のものとしてXに売り渡し、同月14日に土地の所有権移転登記を済ませた。Bは、立木所有権を留保した際、留保についての明認方法を施していなかった。
Xが立木を含む山林の所有権の確認等を求めたのが本件である。原審は次のように判断し、Xの請求を退けた。
- Bの留保によって立木所有権はEに移っていない。
- そのためXは、立木については無権利者であるEから買い受けたことになり、土地の登記を得ても立木の権利は取得できない。
- したがって、Bは明認方法の有無にかかわらず立木所有権をXに主張できる。
これに対しXが上告した。
争点
- 土地所有権の移転に際して当事者間の合意で地上立木の所有権を留保した場合、その留保は民法177条の物権変動にあたり、第三者に対抗するために公示(登記・明認方法)を要するか
- 留保後に土地を立木ごと譲り受けた者との関係は、無権利者からの譲受け(無権利の問題)か、それとも対抗問題か
判旨
破棄差戻し。
規範:立木は本来、土地の一部として土地所有権の内容をなす。しかし、土地の所有権を移転するにあたり、当事者間の合意で立木の所有権を留保したときは、立木は土地から独立して所有権の目的となる。この留保も物権変動の一場合である。したがって、次のいずれかを講じない限り、立木所有権の留保をもって、その地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗できない。
- 立木法による登記
- 留保を公示するに足る明認方法
あてはめ:Bは留保について明認方法を施していない。そのため、土地の所有権移転登記を備えたXに対して立木所有権の留保を対抗できない。明認方法の有無を問わずBの主張を認めた原判決は、対抗問題に関する法律の解釈を誤ったものである。
判決文から
「特に当事者間の合意によつて立木の所有権を留保した場合は、立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきである」
留保を物権変動と性質決定し、177条の対抗問題とした核心
「右登記または明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもつてその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗し得ないものと解するを相当とする」
答案に書ける規範部分。登記か明認方法のいずれかが必要
「本来土地の構成部分たる立木につきその所有権を留保した場合その留保を第三者に対抗するための要件問題とを同一視したもの」
原審の無権利者構成を退け、対抗問題と位置づけた理由
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
