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最判昭和34年5月14日

相手方の履行の提供があっても、提供が継続されない限り同時履行の抗弁権は失われない(民法533条)

民法債務不履行・損害賠償契約総論(成立・解除・危険負担)売買・贈与本試験で 5 問(短答 5・論文 0)

出題:司法H25・司法H26・司法H29・司法R4・予備R4

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和32(オ)391 引受債務金請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第13巻5号609頁
参照法条
民法533条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

履行の提供と同時履行の抗弁権の消滅。

裁判要旨

双務契約の当事者の一方は、相手方の履行の提供があつても、その提供が継続されないかぎり、同時履行の抗弁権を失うものではない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

売主である被上告人は、機械一式を買主Dに売り渡し、約束どおり昭和29年6月28日までに機械全部をDに引き渡した。その後、被上告人の代理人Eが、この機械の部品「F」を取り外して持ち帰った。

本件は「引受債務金請求」事件である。被上告人の請求に対し、上告人は次の点を争った。

  • 売主側が引渡し後に部品を持ち帰った以上、買主側はなお同時履行の抗弁権(民法533条)を有する。
  • 契約が破棄され、または債務引受契約が解除された。

原審(高松高裁)はこれらの主張を退けたため、上告人が上告した。上告理由第一点は、「履行の提供があっても、提供が継続されない限り同時履行の抗弁権は失われない」という法理を前提に、原判決を非難するものであった。

争点

  • 双務契約の一方当事者は、相手方の履行の提供があれば同時履行の抗弁権を失うか(提供の継続の要否)
  • 現実に履行(引渡し)を受けた後、相手方が目的物の一部を持ち帰った場合、一旦消滅した同時履行の抗弁権は復活するか

判旨

規範:双務契約の当事者の一方は、相手方の履行の提供があっても、その提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない(民法533条)。

結論:上告棄却。

  • 本件では、売主が機械全部を約束どおり買主Dに引き渡している。単なる提供ではなく履行そのものがされたのだから、Dは引渡しを受けたことで同時履行の抗弁権を失った。
  • その後に売主の代理人が部品を取り外して持ち帰っても、それによって代理人に別個の責任が生じうるのは別論である。既にされた売主の債務の履行には影響せず、一旦消滅した同時履行の抗弁権が復活することはない。
  • 契約破棄・債務引受契約解除の主張も、当然に認定しなければならないものではないとして退けられた。

判決文から

「双務契約の当事者の一方は相手方の履行の提供があつても、その提供が継続されない限り同時履行の抗弁権を失うものでないことは所論のとおりである。」

提供の継続が必要とする規範部分(要旨)

「Dは右引渡を受けたことによつて所論同時履行の抗弁権を失つたものというべきであり」

現実の履行(引渡し)があれば抗弁権は消滅する

「一旦消滅した同時履行の抗弁権が復活する謂れはない。」

履行後の事情で抗弁権は復活しない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。