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最判昭和33年7月8日

本人間の契約締結の主張に対し、主張のない代理人による締結を認定しても弁論主義に反しないとした判例

民事訴訟法弁論主義・釈明権証人・当事者尋問本試験で 2 問(短答 0・論文 2)

出題:司法H24・司法H29

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和31(オ)764 契約金請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第12巻11号1740頁
参照法条
民訴法第1編第4章第1節,民訴法185条,民訴法186条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

契約が代理人によつてなされたとの主張の要否。

裁判要旨

ある契約が甲乙間に成立したものと主張して、右契約の履行を求める訴が提起される場合に、裁判所が右契約は甲の代理人と乙との間になされたものと認定したとしても、弁論主義に反するとはいえない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人(原告)は、次のように主張して、上告人(被告)に斡旋料4万3000円を請求した。

  • 昭和24年3月18日、自分と上告人との間で、上告人が買い受ける黒砂糖を自分が斡旋し、斡旋料として1斤につき10円を上告人が支払う約束をした。
  • この約定に基づき黒糖4300斤を斡旋し、上告人に買い受けさせた。

原審(福岡高裁宮崎支部)は請求を認容した。その際、契約は被上告人と上告人の代理人Dとの間で締結されたと認定した。

上告人は、次の点を違法として上告した。

  • 原審は当事者が申し立てていない事項に基づいて判決した(旧民訴法186条違反)。
  • 当事者が主張していない代理の事実を認定しており、弁論主義に反する。
  • 理由不備がある。

なお、代理の事実は、証人E・Fと被上告人本人の各供述によって認定されている。これらの供述は被上告人が援用したものであった。

争点

  • 原告が本人間での契約締結を主張したのに対し、裁判所が代理人による締結を認定することは、当事者の申し立てない事項についての判決(旧民訴法186条、現246条)に当たるか
  • 主張のない代理人による契約締結の事実を認定することは弁論主義に反するか

判旨

上告棄却。判旨は次の二点からなる。

  • 処分権主義との関係:旧民訴法186条(現246条)にいう「事項」とは訴訟物の意味である。本件の訴訟物は斡旋料請求権で変わっていないから、申し立てない事項について判決した違法はない。
  • 弁論主義との関係:斡旋料支払の特約が本人によってされたか代理人によってされたかで、法律効果に変わりはない。したがって、原判決が被上告人と上告人代理人Dとの間で契約がされたと認定しても、弁論主義に反せず、理由不備の違法もない。

答案上は「契約の締結が本人によるか代理人によるかは法律効果に変わりがないから、当事者の主張しない代理人による締結を認定しても弁論主義に反しない」という判例の立場として示すことになる。

判決文から

「民訴一八六条にいう「事項」とは訴訟物の意味に解すべきであるから、本件につき原審が当事者の申立てざる事項に基いて判決をした所論の違法はない。」

処分権主義の「事項」=訴訟物と明示した部分

「斡旋料支払の特約が当事者本人によつてなされたか、代理人によつてなされたかは、その法律効果に変りはないのであるから、原判決が被上告人と上告人代理人Dとの間に本件契約がなされた旨判示したからといつて弁論主義に反するところはなく」

法律効果同一を理由に弁論主義違反を否定した核心

「所論代理の事実は、証人E(記録五三丁裏)同F(同二〇七丁)被上告本人(同二一三丁裏)の各供述によつて認められ、これらの供述は、被上告人の援用するところであるから」

代理の事実が援用された供述から認定された点

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。