娯楽狩猟業務事件
刑法211条の「業務」の定義を示し、免許を受けて反復継続する娯楽目的の狩猟も業務に当たるとした判例
出題:司法H25・司法R1・司法R7
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和29(あ)2523 業務上過失傷害
- 裁判
- 判決・破棄差戻
- 判例集
- 刑集 第12巻6号1090頁
- 参照法条
- 刑法211条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 刑法二一一条の業務の意義 二 免許を受け反覆継続してなす娯楽のための狩猟行為と刑法第二一一条の業務
裁判要旨
一 刑法二一一条にいわゆる業務としは、本来人が社会生活上の地位に基き反覆継続して行う行為であつて、かつその行為は他人の生命身体等に危害を加える虞あるものであることを必要とするけれども、行為者の目的がこれによつて収入を得るにあるとその他の欲望を充たすにあるとは問わないと解すべきである 二 銃器を使用してなす狩猟行為の如き他人の生命、身体等に危害を及ぼす虞ある行為を、免許を受けて反覆継続してなすときは、その目的が娯楽のためであつても、なおこれを刑法第二一一条にいわゆる業務と認むべきである
解説
事案
被告人は乙種狩猟免許状を持って狩猟をしていた。11月23日の勤労感謝の日に娯楽のため狩猟を行い、その際の事故について業務上過失傷害罪で起訴された。
- 被告人の経歴:昭和11年以来10数年の狩猟歴があり、猟友会員でもあった。応召や仕事で休んだ年を除き、毎年狩猟免許を受けて狩猟を続けていた。本件当時も自己の猟犬を使って狩猟していた。
- 原審(東京高裁)の判断:大判大正8年11月13日を根拠に、娯楽のために行う狩猟は、狩猟免許者によるものであっても211条の「業務」に当たらないとした。そのうえで、被告人が狩猟を業務としていた事実は証拠上確認できないとし、業務上過失傷害罪に問うべき場合でないと判断した。
- 上告:検察官が判例違反を理由に上告した。
争点
- 刑法211条にいう「業務」の意義
- 免許を受けて反復継続して行う娯楽目的の狩猟行為が刑法211条の「業務」に当たるか
判旨
原判決破棄・差戻し(刑訴法411条1号・3号、413条)。
規範:刑法211条の「業務」とは、次の2つを満たすものをいう。
- 人が社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為であること
- その行為が他人の生命・身体等に危害を加えるおそれのあるものであること
行為者の目的が収入を得ることにあるか、その他の欲望を満たすことにあるかは問わない。
あてはめ:銃器を使用する狩猟行為のように他人の生命・身体等に危害を及ぼすおそれのある行為を、免許を受けて反復継続して行うときは、目的が娯楽であっても「業務」に当たる。被告人は10数年の狩猟歴を持ち、毎年免許を受けて狩猟を続けていた。ここから反復継続の意思をもって反復継続していたことが推測され、本件狩猟行為は「業務」と認定するのが相当である。
原判決は211条の解釈を誤り、ひいて判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認を犯したものとされた。
判決文から
「刑法二一一条にいわゆる業務とは、本来人が社会生活上の地位に基き反覆継続して行う行為であつて」
業務の定義の前半(地位・反復継続)
「かつその行為は他人の生命身体等に危害を加える虞あるものであることを必要とするけれども、行為者の目的がこれによつて収入を得るにあるとその他の欲望を充たすにあるとは問わないと解すべきである」
危険性の要件と目的不問を明示
「銃器を使用してなす狩猟行為の如き他人の生命、身体等に危害を及ぼす虞ある行為を、免許を受けて反覆継続してなすときは、たといその目的が娯楽のためであつても、なおこれを刑法二一一条にいわゆる業務と認むべきものといわねばならない。」
娯楽目的の狩猟も業務とした結論部分
「被告人が反覆継続の意思を以てこれを反覆継続していたことが推測されるのである。」
反復継続性の認定の仕方
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
