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最判昭和33年3月13日

留置権の抗弁を認めるときは引渡請求を棄却せず、引換給付判決をすべきとした判例(借家法5条の不適用も判示)

民法その他の担保物権処分権主義本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H23・司法H28・予備H23・予備H25

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和31(オ)966 家屋明渡請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第12巻3号524頁
参照法条
借家法5条,民法295条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 債務不履行その他背信行為による賃貸借の解除と借家法第五条の適用の有無 二 物の引渡を求める訴訟において留置権の抗弁を認容する場合と判決主文

裁判要旨

一 借家法第五条は、賃貸借が賃借人の債務不履行ないしその背信行為のため解除された場合には、その適用がないものと解すべきである。 二 物の引渡を求める訴訟において、被告の留置権の抗弁を認容する場合には、原告の請求を全面的に棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換に物の引渡を命ずべきものと解するを相当とする。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

賃貸人側が、家屋の賃借人側に対して家屋明渡しを求めた事案である。賃貸借は、賃借人の債務不履行ないし背信行為を理由に解除されていた。

原審(大阪高裁)は、次のように判断した。

  • 解除の場合には借家法5条は適用されない。
  • 賃借人が家屋について支出した有益費の償還請求権に基づく留置権の抗弁を認め、明渡請求を全面的に棄却せず、有益費の支払と引換えに明渡しを命じた。

上告理由は2点である。

  • 第1点:借家法5条の適用を否定した原判決は不当である。
  • 第2点:留置権の抗弁が認められる以上、明渡請求は棄却されるべきであり、引換給付を命じた原判決は不当である(判例を引用)。

争点

  • 賃借人の債務不履行ないし背信行為により賃貸借が解除された場合に、借家法5条が適用されるか
  • 物の引渡請求訴訟で被告の留置権の抗弁を認めるとき、請求を棄却すべきか、引換給付判決をすべきか

判旨

上告棄却。

  • 借家法5条:賃貸借が賃借人の債務不履行ないし背信行為によって解除された場合には適用されない(先例である第二小法廷判決・民集10巻4号356頁を引用)。
  • 留置権の抗弁と判決主文:物の引渡しを求める訴訟で被告の留置権(民法295条)の抗弁を認めるときは、原告の請求を全面的に棄却しない。その物に関して生じた債権の弁済と引換えに物の引渡しを命ずべきである。

答案用の規範:「留置権は被担保債権の弁済を受けるまで物を留置しうるにとどまり、優先弁済を受けさせる趣旨ではない。したがって、留置権の抗弁に理由があるときは、引渡請求を棄却せず、被担保債権の弁済と引換えに引渡しを命ずべきである(引換給付判決)。」

本件では、有益費の支払と引換えに明渡しを認容した原判決が正当とされた。

判決文から

「留置権は、物の占有者がその物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置することを得るに過ぎないものであつて、物に関して生じた債権を他の債権に優先して弁済を受けしめることを趣旨とするものではない。」

留置的効力にとどまり優先弁済権でないことが引換給付の根拠

「裁判所は、物の引渡請求に対する留置権の抗弁を理由ありと認めるときは、その引渡請求を棄却することなく、その物に関して生じた債権の弁済と引換に物の引渡を命ずべきものと解するを相当とする。」

引換給付判決をすべきとする規範そのもの

「借家法五条は、賃借人の債務不履行ないしその背信行為のため賃貸借が解除されたような場合には、その適用がないものと解すべきことは、当裁判所の判例とするところであるから」

債務不履行解除時の借家法5条不適用を確認

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。