東京都売春等取締条例事件
条例ごとに取扱いの地域差が生じても、それは憲法が条例制定権を認めた以上予期されたもので、憲法14条に反しない。
出題:司法H23・司法H24・司法H26・司法H28・司法H30・司法R8・予備H23・予備H28・予備H30・予備R5
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和29(あ)267 売春等取締条例違反
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 刑集 第12巻14号3305頁
- 参照法条
- 憲法14条,憲法94条,地方自治法14条1項,地方自治法14条5項,地方自治法2条3項1号,地方自治法2条3項7号
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
地方公共団体が制定する売春取締に関する条例の合憲性。
裁判要旨
地方公共団体が売春の取締について各別に条例を制定する結果、その取扱に差別を生ずることがあつても、憲法第一四条に違反しない。
解説
事案
被告人は、東京都売春等取締条例に違反したとして起訴された。第一審で有罪となり、原審の東京高裁もこれを維持したため、被告人が上告した。
同条例は、憲法94条と地方自治法の諸規定に基づいて制定されたものである。地方自治法の根拠規定は次のとおり。
- 条例制定権(14条1項)
- 地方公共の秩序維持、住民の安全・健康・福祉の保持(2条3項1号)
- 風俗のじゅん化に関する事項(2条3項7号)
- 条例への罰則の設置(14条5項)
なお、同条例は売春防止法附則により昭和33年4月1日に失効した。ただし、失効前の違反行為については同法附則5項によって従前どおり処罰される。
弁護人の上告趣意は、売春取締の罰則を条例で定めると地域によって取扱いに差別が生じるから、憲法の平等原則に反する、というものであった。
争点
- 売春取締に関する罰則を条例で定めた結果、地域によって取扱いに差異が生じることは、憲法14条の平等原則に反するか
判旨
上告棄却(裁判官全員一致。下飯坂・奥野両裁判官の補足意見あり)。
規範
- 憲法が各地方公共団体に条例制定権を認める以上、地域によって差別が生じることは当然に予期されている。
- そのような差別は憲法みずから容認するところである。
結論
- 地方公共団体が売春の取締りについて各別に条例を制定した結果、取扱いに差別が生じることがあっても、地域差を理由に違憲とはいえない。
- 憲法14条に違反しない。
上告趣意のその余の部分は、単なる訴訟法違反・事実誤認の主張にすぎず、適法な上告理由にあたらないとされた。
判決文から
「中には各地方の特殊性に応じその実情に即して規律するためにこれを各地方公共団体の自治に委ねる方が一層合目的的なものもあり」
条例による地方ごとの規律を認める前提
「しかし憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上、地域によつて差別を生ずることは当然に予期されることであるから、かかる差別は憲法みずから容認するところであると解すべきである。」
本判決の核心となる規範
「地方公共団体が売春の取締について各別に条例を制定する結果、その取扱に差別を生ずることがあつても、所論のように地域差の故をもつて違憲ということはできない。」
結論部分(裁判要旨)
「各条例が各地域の特殊な地方の実情その他の合理的根拠に基いて制定され、その結果生じた各条例相互間の差異が、合理的なものとして是認せられて始めて、合憲と判断すべきものと考える。」
補足意見による合理性審査の要求
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
