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最判昭和32年11月19日

業務上占有者と共謀して横領した非占有者には65条1項で業務上横領罪の共同正犯が成立し、65条2項で単純横領罪の刑を科す

刑法横領・背任罪教唆・幇助・共犯の諸問題共同正犯本試験で 7 問(短答 7・論文 0)

出題:司法H23・司法H30・司法R1・司法R5・司法R8・予備H23・予備R3

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和30(あ)3640 業務上横領
裁判
判決・破棄自判
判例集
刑集 第11巻12号3073頁
参照法条
刑法65条,刑法253条,刑法252条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

身分的共犯の処罰。

裁判要旨

村長、助役が収入役と共謀の上、収入役の保管にかかる新制中学校建設資金の寄附金を横領したときは、刑法第六五条第一項により同法第二五三条に該当する共犯となるが、村長、助役は業務上物の占有者たる身分がないから、同法第二五二条第一項の刑を科すべきものである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人Aは村長で、村の新制中学校建設工事委員会の工事委員長だった。被告人Bは助役で、同委員会の工事副委員長としてAを補佐していた。同村収入役Eは、同委員会の委託を受け、後には収入役として村のために、学校建設資金の寄附金の受領・保管等の会計事務を担当していた。

Eは村民190余名から寄附金合計23万円余を受け取り、業務上保管していた。A・BはEと共謀し、そのうち合計8万円余を、酒食等の代金支払に充てて費消横領した。寄附金の受領・保管業務に従事していたのはEだけであり、A・Bがこの業務に従事していた事実は認められなかった。

第一審判決はA・Bの行為に刑法253条だけを適用し、原審もこれを是認した。弁護人が上告した。

争点

  • 業務上の占有者でない者が業務上占有者と共謀して横領した場合、何罪の共同正犯が成立するか(刑法65条1項の適用)
  • その非身分者にはどの罪の刑を科すべきか(刑法65条2項の適用)

判旨

結論:原判決・第一審判決を破棄して自判した。A・Bに刑法253条、60条、65条、252条1項を適用し、Aを懲役6月、Bを懲役4月(いずれも執行猶予2年)に処した。

規範

  • 業務上物を占有する身分のない者が、業務上占有者と共謀して横領したときは、刑法65条1項により同法253条の業務上横領罪の共同正犯が成立する。
  • 253条は、横領犯人が業務上物を占有する場合に特に重い刑を科す規定である。そのため、業務上物の占有者たる身分のない者には、65条2項により252条1項の通常の横領罪の刑を科す。

つまり、成立する罪名は業務上横領罪の共同正犯、科される刑は単純横領罪の刑である(罪名と科刑の分離)。

第一審が253条だけを適用し、60条、65条1項・2項、252条1項を適用しなかったのは違法であり、著しく正義に反するとされた。

判決文から

「同法二五三条は横領罪の犯人が業務上物を占有する場合において、とくに重い刑を科することを規定したものであるから、」

253条を業務による加重類型と位置づけた部分

「業務上物の占有者たる身分のない被告人両名に対しては同法六五条二項により同法二五二条一項の通常の横領罪の刑を科すべきものである。」

非身分者の科刑を単純横領罪の刑とした核心

「被告人両名の判示第一の所為は、いずれも刑法二五三条、六〇条、六五条、二五二条一項に」

253条・60条・65条・252条1項の併用を示す

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。