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最判昭和30年12月26日

通行地役権の時効取得(民法283条)の「継続」には、要役地所有者自身が承役地上に通路を開設することを要するとした判例

民法横領・背任罪用益物権本試験で 6 問(短答 6・論文 0)

出題:司法H24・司法H25・司法H28・司法R6・予備R6

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和28(オ)1178 仮処分異議
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第9巻14号2097頁
参照法条
民法283条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

通行地役権の時効取得の「継続」の要件

裁判要旨

通行地役権の時効取得に関する「継続」の要件としては、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によつてなされることを要するものと解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人は、袋地である自己所有地を要役地、本件土地を承役地とする通行地役権があると主張した。被上告人は、本件土地の所有権を後から取得した者である。事件は仮処分異議として争われた。

上告人は次の3点を主張した。

  • 通行地役権の設定契約があったこと
  • 通行地役権を時効取得したこと
  • 袋地のための通路として、字ab番のcの土地だけでなく字de番のfの土地も必要であること

原審(東京高裁)は、これらをすべて退けた。

  • 設定契約は疎明がない。仮に契約があっても、登記がない以上、その後に承役地所有権を取得した被上告人には対抗できない。
  • 時効取得は、第一審判決の理由を引用して否定した。
  • 袋地のための最少限度の通路は、字ab番のcの土地で足り、字de番のfの土地は必要ない。

上告人が上告した。

争点

  • 民法283条による通行地役権の時効取得において、「継続」の要件を満たすには何が必要か
  • 通路の開設は誰によってなされる必要があるか
  • 袋地のための最少限度の通路の範囲

判旨

上告棄却。

規範:民法283条による通行地役権の時効取得の「継続」の要件を満たすには、次の2つが必要である。

  • 承役地となるべき他人所有の土地の上に通路が開設されていること
  • その開設が要役地所有者によってなされたこと

原審はこれと同じ趣旨の判断で時効取得を否定しており、相当とされた。

その他の判断

  • 地役権設定契約の主張について、原審は「疎明がない」と判断している。原審の民法177条に関する説示は結論に影響しない。
  • 袋地のための最少限度の通路は字ab番のcの土地で足りるとした原判示は相当である。
  • 時効取得自体が否定されている以上、時効取得と登記(対抗要件)の問題は生じない。

判決文から

「民法二八三条による通行地役権の時効取得については、いわゆる「継続」の要件として、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によつてなされることを要するものと解すべく」

「継続」の要件を通路開設と開設主体の2点で示した規範部分

「仮りに本件土地を承役地とする上告人主張の地役権設定契約があつたとしても、これにつき登記なき以上、その後において承役地の所有権を取得した被上告人に対抗し得ないとする趣旨であつて」

約定地役権は未登記だと承役地の譲受人に対抗できない

「袋地である上告人所有の土地のための最少限度の通路としては、字ab番のcの土地を以て足り、字de番のfの土地を必要としないとする趣旨の原判示は、相当と認められる」

袋地の通路は最少限度で足りるとの判断

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。