緊急逮捕合憲判決
刑訴法210条の緊急逮捕は、厳格な要件と事後の令状請求を条件として憲法33条に違反しないとした大法廷判決
出題:司法H25・司法R8・予備R5・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 昭和26(あ)3953 森林法違反、公務執行妨害、傷害
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 刑集 第9巻13号2760頁
- 参照法条
- 憲法33条,刑訴法210条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
刑訴第二一〇条の緊急逮捕の規定は合憲か
裁判要旨
刑訴第二一〇条の緊急逮捕の規定は憲法第三三条に違反しない。
解説
事案
被告人は森林法違反、公務執行妨害、傷害の罪で起訴され、原審(高松高裁)の判決に対して上告した。
- 弁護人は上告趣意第一点で、刑訴法210条が検察官、検察事務官または司法警察職員に逮捕状によらない被疑者の逮捕を認めているのは、令状主義を定める憲法33条に違反すると主張した。
- 上告趣意第二点ともう一人の弁護人の上告趣意は、いずれも量刑不当の主張であった。
最高裁大法廷は、違憲の主張を退け、量刑不当の主張は刑訴法405条の上告理由に当たらないとして、上告を棄却した。
争点
- 逮捕状によらない逮捕を認める刑訴法210条の緊急逮捕は、憲法33条(令状主義)に違反しないか
判旨
結論:刑訴法210条の緊急逮捕の規定は憲法33条に違反しない(合憲)。
規範(合憲とされた条件):緊急逮捕は次のような厳格な制約の下にあるから、憲法33条の趣旨に反しない。
- 罪状の重い一定の犯罪に限る:死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪であること
- 嫌疑の充分性:その罪を犯したことを疑うに足る充分な理由があること
- 緊急性:急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないこと
- 理由の告知:理由を告げて逮捕すること
- 事後の司法審査:逮捕後直ちに裁判官に逮捕状を請求し、発せられないときは直ちに被疑者を釈放すること
これらの条件の下で、緊急やむを得ない場合に限り逮捕を認めることは、憲法33条に違反しない。
判決文から
「かような厳格な制約の下に、罪状の重い一定の犯罪のみについて、緊急已むを得ない場合に限り、逮捕後直ちに裁判官の審査を受けて逮捕状の発行を求めることを条件とし、被疑者の逮捕を認めることは、憲法三三条規定の趣旨に反するものではない」
合憲判断の核心。対象犯罪・緊急性・事後審査の3条件
「右憲法三三条の除外の場合には、刑訴二一二条一項の現行犯逮捕の場合は勿論同条二項のいわゆる準現行犯逮捕の場合及び同法二一〇条のいわゆる緊急逮捕の場合をも包含するものと解するを相当とする」
斎藤補足意見。緊急逮捕も33条の例外に含まれるとする
「被疑者を拘束してから直ちに裁判官の逮捕状を求めて逮捕状が発せられたときは、なお且つ逮捕状による逮捕と認めることを妨げないとも解される」
小谷・池田補足意見。令状逮捕の一形態とみる構成
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
