最判昭和30年10月14日
債権取立てでも手段が社会通念上の忍容限度を超えれば、債権額にかかわらず交付額全額につき恐喝罪が成立する。
出題:司法R7
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和27(あ)6596 詐欺、恐喝、銃砲等所持禁止令違反
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 刑集 第9巻11号2173頁
- 参照法条
- 刑法249条1項,刑法35条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
権利行使と恐喝罪
裁判要旨
債権取立のために執つた手段が、権利行使の方法として社会通念上一般に許容すべきものと認められる程度を逸脱した恐喝手段である場合には、債権額のいかんにかかわらず、右手段により債務者から交付を受けた金員の全額につき恐喝罪が成立する。
解説
事案
被告人Cは、Dに対して債権を有していた。被告人A・B・Cらは、その取立てのためにDに金銭を要求した。その際、Dが要求に応じないときは身体に危害を加えるような態度を示した。さらにA・BらはDに対し「俺達の顔を立てろ」等と申し向けた。Dは、要求に応じなければ自分の身体に危害を加えられるかもしれないと畏怖し、金6万円を交付した。
原判決は、CのDに対する債権額にかかわらず、6万円全額について恐喝罪の成立を認めた。被告人側は、債権の取立てであることなどを理由に上告した。最高裁は上告を棄却した。
争点
- 権利(債権)を有する者がその実行のために恐喝的手段を用いた場合に、恐喝罪(刑法249条1項)が成立するか
- 恐喝罪が成立する場合、その成立範囲は債権額を超える部分に限られるか、交付を受けた全額に及ぶか
判旨
上告棄却。恐喝罪の成立を肯定した。
規範:他人に対して権利を有する者がその権利を実行することは、次の2つを満たす限り、違法の問題を生じない。
- その権利の範囲内であること
- 方法が社会通念上一般に忍容すべきものと認められる程度を超えないこと
この範囲・程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪が成立しうる。
あてはめ:要求に応じなければ身体に危害を加えるような態度を示し、「俺達の顔を立てろ」等と申し向けてDを畏怖させた。この手段は、権利行使の手段として社会通念上一般に忍容すべき程度を逸脱したことが明らかである。
結論:債権額のいかんにかかわらず、交付を受けた6万円全額について恐喝罪が成立する。
判決文から
「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍溶すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じない」
権利行使が適法となる二要件(範囲内・方法の相当性)
「右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする」
逸脱すれば違法となり恐喝罪成立という規範
「被告人CのDに対する債権額のいかんにかかわらず、右金六万円の全額について恐喝罪の成立をみとめたのは正当であつて」
債権額を控除せず全額で成立とした結論部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
