麻薬取扱者記帳義務事件(麻薬取締法記帳義務事件)
最判昭和29年7月16日
麻薬取扱者に正規でない麻薬取扱いの事実まで帳簿に記載させ、違反を処罰しても憲法38条1項に反しないとした判例
憲法人身の自由本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法R8・予備R8
解説
事案
麻薬取締法は、麻薬取扱者に麻薬の取扱いを帳簿に記載する義務を課し、その違反に罰則を科していた。記帳の対象には、正規の手続を経ない麻薬取扱い(不正な取扱い)の事実も含まれる。このため、記帳すれば自己の違法行為を自ら記録することになり、記帳義務とその違反の処罰が、憲法38条1項(自己に不利益な供述の強要禁止)に反するかが争われた。
争点
- 麻薬取扱者に、正規の手続を経ない麻薬取扱いの事実を帳簿に記載させる義務を課すことは、憲法38条1項に違反するか
- その記帳義務の違反に罰則を科すことは、憲法38条1項に違反するか
判旨
結論:合憲。
- 麻薬取扱者に、正規の手続を経ない麻薬取扱いの事実を帳簿に記載させる義務を課しても、憲法38条1項に違反しない。
- その記帳義務の違反に罰則を科すことも、憲法38条1項に違反しない。
答案での規範の示し方
- 行政上の記帳・報告義務について38条1項違反が問題になる場面で、本判例を「麻薬取扱者に対する記帳義務は、不正取扱いの事実を記載させるものであっても38条1項に反しない」とした先例として示す。
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