最決昭和29年5月6日
すりがズボンのポケットの外側に手を触れた時点で、窃盗の実行の着手を認めた決定
刑法窃盗罪未遂・中止犯・不能犯本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法H22・司法H28
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和28(あ)5267 窃盗、同未遂
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第8巻5号634頁
- 参照法条
- 刑法235条,刑法243条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
窃盗の実行に着手したと認められる一事例
裁判要旨
ズボンの尻ポケツトから現金をすり取ろうとして手を差しのべその外側に触れた以上窃盗の実行に着手したものである。
解説
事案
被告人は、被害者のズボン右ポケットから現金をすり取ろうとして、そのポケットに手を差しのべ、ポケットの外側に触れた。原判決(広島高裁)はこの事実を認定し、窃盗の実行の着手があったものとした。事件名は「窃盗、同未遂」である。
弁護人は、原判決が判例に違反すると主張して上告した。あわせて量刑不当も主張した。被告人本人も、事実誤認・訴訟法違反・量刑不当を理由に上告した。
争点
- すりの目的で被害者のポケットに手を差しのべ、その外側に触れた段階で、窃盗罪(刑法235条)の実行の着手(刑法43条本文)が認められるか
- 財物そのものに触れていない段階で、窃盗未遂(刑法243条)が成立するか
判旨
上告棄却。
- 弁護人が挙げた判例は本件に適切でない。上告趣意は事実誤認または単なる法令違反、量刑不当の主張にとどまり、刑訴法405条の上告理由に当たらないとした。
- 括弧書きで次のように判示した。被害者のズボンのポケットから現金をすり取ろうとして、そのポケットに手を差しのべ、外側に触れた以上、窃盗の実行に着手したものと解すべきことは「いうまでもない」。
- 規範としては、「すりの事案では、財物の取得に向けてポケットに手を差しのべ、その外側に触れた時点で窃盗の実行の着手がある」と整理できる。
- 財物(現金)自体に触れていることも、ポケットの中に手を入れていることも要しない。
判決文から
「被害者のズボン右ポケツトから現金をすり取ろうとして同ポケツトに手を差しのべその外側に触れた以上窃盗の実行に着手したものと解すべきこというまでもない。」
外側への接触で着手を認めた核心部分
「所論判例は本件に適切でなく、結局事実誤認、又は単なる法令違反の主張に帰し」
判例違反の主張を退けた上告棄却の枠組み
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
