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最判昭和29年12月23日

土地共有者の一人についてだけ民法388条の事由が生じても、他の共有者の持分を無視できず、共有土地に法定地上権は成立しない。

民法物権総論・物権変動抵当権本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H30・司法R3・予備H30

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和26(オ)285 建物収去、土地明渡請求
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第8巻12号2235頁
参照法条
民法249条,民法388条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

土地共有者の一人だけについて民法第三八八条本文の事由が生じた場合と法定地上権の成否

裁判要旨

土地共有者の一人だけについて民法第三八八条本文の事由が生じたとしても、これがため他の共有者の意思如何に拘らずそのものの持分までが無視されるべきいわれはなく、当該共有土地については、なんら地上権は発生しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

土地の共有者の一人が、他の共有者の同意を得て、その共有地の上に建物を所有していた。この共有者は自己の土地共有持分に抵当権を設定し、抵当権の実行によって持分が競売され、第三者がこれを取得した。

建物収去・土地明渡請求訴訟で、原審(東京高裁)は次のように判断した。

  • 共有者が自己の持分の上に、全部の占有支配を伴う地上権を設定することはできない。
  • しかし、他の共有者の同意があれば共有地に地上権を設定できる(民法251条)。その場合は土地単独所有の場合と経済的に異ならない。
  • 民法388条の国民経済上の趣旨からみて単独所有と区別する理由はなく、抵当権設定者である共有者のために共有地につき地上権が設定されたものとみなされる。

そのうえで原審は、被上告人が本件共有土地に地上権を取得したと判断した。上告を受けた最高裁は原判決を破棄し、差し戻した。

争点

  • 土地共有者の一人だけについて民法388条本文の事由(土地と建物の同一所有者帰属と抵当権実行)が生じた場合に、共有土地に法定地上権が成立するか
  • 他の共有者が建物所有に同意していたことは、法定地上権の成立を基礎づけるか

判旨

結論:土地共有者の一人だけについて民法388条本文の事由が生じても、当該共有土地にはなんら地上権は発生しない(法定地上権不成立)。原判決破棄・差戻し。

規範

  • 各共有者は、共有物について所有権と性質を同じくする独立の持分を有する。
  • 共有地全体に対する地上権は共有者全員の負担となる。したがって、その設定には共有者全員の同意が必要である。
  • 一部の共有者だけが地上権設定行為をしても、同意しなかった他の共有者の持分はその処分に服さない。
  • この理は、民法388条の法定地上権についても同様である。388条の事由が共有者の一人についてだけ生じても、他の共有者の意思いかんにかかわらずその持分を無視することはできない。

本件では、他の共有者が抵当権設定者の建物所有に同意していたという原審認定の事実関係だけでは、地上権の取得は認められない。

判決文から

「共有地全体に対する地上権の設定には共有者全員の同意を必要とすること原判決の判示前段のとおりである」

約定地上権について全員同意が必要という前提

「これがため他の共有者の意思如何に拘わらずそのものの持分までが無視さるべきいわれはないのであつて、当該共有土地については地上権を設定したと看做すべきでないものといわなければならない」

法定地上権不成立の結論部分

「同条により地上権を設定したと看做される者は、もともと当該土地について所有者として完全な処分権を有する者に外ならないのであつて」

388条の趣旨論への反論の核心

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。