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最判昭和29年1月21日

争訟を裁断する訴願裁決は、特別の規定がない限り裁決庁自身が取り消すことはできない(不可変更力)とした判例

行政法行政行為(効力・瑕疵)親族(婚姻・親子)売買・贈与本試験で 6 問(短答 6・論文 0)

出題:司法H23・司法H25・司法H26・司法R4・予備R3・予備R8

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和25(オ)354 行政処分取消請求
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第8巻1号102頁
参照法条
自作農創設特別措置法7条5項,訴願法16条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

農地買収計画を取り消した訴願裁決を裁決庁が自ら取り消すことの適否

裁判要旨

訴願裁決で農地買収計画を取り消した後に、裁決庁が自ら右訴願裁決を取り消すことは原則としてゆるされない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

D農地委員会が農地の買収計画を立てた。被上告人はこれに異議を申し立てたが、却下決定を受けた。そこで被上告人は訴願を提起し、裁決庁である上告人は、被上告人の主張を認めて買収計画を取り消す裁決をした。

ところがその後、上告人は、一旦した右裁決を自ら取り消す裁決(本件裁決)をした。被上告人は本件裁決の取消しを求めて提訴し、原審(大阪高裁)は、裁決庁が自ら裁決を取り消すことはできないとした。

上告人は次の点を主張して上告した。

  • 裁決は形式が判決に似ていても一つの行政処分であり、違法があれば裁決庁自ら取り消せる。
  • 農地調整法15条の28は、裁決庁に自己取消権限があることを前提とする規定である。
  • 先の裁決には事実誤認があった。

争点

  • 訴願裁決(争訟裁断行為)を裁決庁が自ら取り消すことは許されるか
  • 農地調整法15条の28は、裁決庁に一般的な自己取消権限があることを前提とする規定か
  • 先の裁決の事実誤認(現地調査不足による)は、自己取消を正当化するか

判旨

上告棄却。訴願裁決で農地買収計画を取り消した後に、裁決庁が自ら右裁決を取り消すことは、原則として許されない。

規範:訴願裁決は行政処分ではある。しかし、実質的にはその本質は法律上の争訟を裁判するものである。このような性質を有する裁決は、他の一般の行政処分と異なり、特別の規定がない限り、裁決庁自らにおいて取り消すことはできない。

あわせて次の判断を示した。

  • 農地調整法15条の28は、行政機関に裁決を取り消す権限を認めた「特別の規定」にあたる。裁決庁に一般的な自己取消権限があることを前提とする規定ではない。
  • 現地調査不足による単なる事実誤認は、自己取消を是認する場合にあたらない。

判決文から

「この裁決が行政処分であることは言うまでもないが、実質的に見ればその本質は法律上の争訟を裁判するものである。」

裁決の行政処分性を認めつつ争訟裁断性を本質とした点

「かかる性質を有する裁決は、他の一般行政処分とは異り、特別の規定がない限り、原判決のいうように裁決庁自らにおいて取消すことはできないと解するを相当とする。」

不可変更力の規範そのもの。「特別の規定」が例外

「所論の事実誤認は、上告人の十分な現地調査を欠いたことによる単なる事実誤認であつて、これを以て裁決庁の裁決の自己取消を是認するに足る場合とは考えられない。」

単なる事実誤認は自己取消の根拠とならない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。