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最高裁判所裁判官国民審査事件

最大判昭和27年2月20日

国民審査は実質的に解職の制度であり、×印方式で無記入票を罷免を可としない票と数える国民審査法は合憲とした。

憲法裁判所・司法権参政権・国務請求権違憲審査制・憲法訴訟本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H23・司法R5

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和24(オ)332 最高裁判所裁判官国民審査の効力に関する異議
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第6巻2号122頁
参照法条
憲法79条1項,憲法79条4項,憲法15条,憲法19条,憲法21条,最高裁判所裁判官国民審査法(昭和22年法律136号)15条,最高裁判所裁判官国民審査法(昭和22年法律136号)32条,最高裁判所裁判官国民審査法(昭和22年法律136号),最高裁判所裁判官国民審査法施行令(昭和23年政令122号)26条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 最高裁判所裁判官国民審査制度の趣旨 二 最高裁判所裁判官国民審査法の合憲性 三 最高裁判所裁判官国民審査の審査公報に「関与した主要な裁判」として記載すべき内容

裁判要旨

一 最高裁判所裁判官任命に関する国民審査の制度は、国民が裁判官を罷免すべきか否かを決定する趣旨であつて、裁判官の任命を完成させるか否かを審査するものではない。 二 最高裁判所裁判官国民審査法は、憲法第七九条、第一九条、第二一条に違反しない。 三 最高裁判所裁判官国民審査の審査公報には、裁判官の取り扱つた裁判上の意見を具体的に表示せず、ただ事件名のみを記載しても、最高裁判所裁判官国民審査法施行令第二六条に反しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人は、最高裁判所裁判官国民審査の効力について異議を申し立てたが、原審の東京高裁はこれを退けたため、上告した。上告理由の主張は次の3点である。

  • 国民審査の性質:国民審査は、裁判官の任命を完成させるかどうかを審査する制度である。
  • 投票方式の違憲性:最高裁判所裁判官国民審査法は連記投票とし、罷免すべきと思う裁判官にだけ×印を付け、何も書かない欄は「罷免を可としない投票」に数える。そのため、罷免の当否が分からない者や一部の裁判官だけに×を付けたい者も、他の裁判官については白票を投じざるを得ない。これは思想・良心の自由(憲法19条)や表現の自由(憲法21条)を侵害する。
  • 審査公報の違法:審査公報に「関与した主要な裁判」として事件名しか載せず、裁判上の意見を具体的に示さなかったのは、同法施行令26条に反する。

争点

  • 国民審査(憲法79条2項・3項)の法的性質は、解職の制度か、任命を完成させる制度か
  • ×印のみを記入させ、無記入票を罷免を可としない票と数える国民審査法の投票方式は、憲法79条・19条・21条に反しないか
  • 審査公報に事件名のみを記載することは国民審査法施行令26条に反しないか

判旨

上告棄却(裁判官全員一致)。

  • 性質:国民審査の制度は、実質において解職の制度である。国民が裁判官を罷免すべきか否かを決定する趣旨であり、任命を完成させるか否かを審査するものではない。最高裁判所裁判官の任命は、天皇(長官)または内閣の任命行為によって完了する(憲法6条2項・79条1項)。
  • 投票方式:解職制度である以上、投票は積極的に罷免を可とするものと、そうでないものの二つに分かれる。したがって、×印のない投票を「罷免を可としない投票」に数える国民審査法の方式は、制度の趣旨に合う。罷免の当否が分からない者の投票にこの効果を与えても意思に反しないから、思想・良心の自由を制限しない。国民審査法は憲法79条・19条・21条に違反しない。
  • 審査公報:裁判上の意見を具体的に示さず事件名のみを記載しても、国民審査法施行令26条に反しない。

判決文から

「最高裁判所裁判官任命に関する国民審査の制度はその実質において所謂解職の制度と見ることが出来る。」

国民審査=解職制度という性質論の核心

「国民が罷免すべきか否かを決定する趣旨であつて、所論の様に任命そのものを完成させるか否かを審査するものでないこと明瞭である。」

任命完成(信任)説の明示的な否定

「罷免する方がいいか悪いかわからない者は、積極的に「罷免を可とする」という意思を持たないこと勿論だから、かかる者の投票に対し「罷免を可とするものではない」との効果を発生せしめることは、何等意思に反する効果を発生せしめるものではない」

白票扱いが意思に反しないとする理由

「それ故論旨のいう様に思想の自由や良心の自由を制限するものでないこと勿論である。」

憲法19条違反の主張を退けた結論部分

「第七九条の罷免は裁判官弾劾法の規定する事由がなくても、国民が裁判官の人格識見能力等各種の方面について審査し、罷免しなければならないと思うときは罷免の投票をするのであつて、第七八条とは異るものである。」

弾劾(78条)との違いと審査の対象

「通常の選挙の場合における所謂良心的棄権という様なことも考慮しないでいいわけである。」

選挙と国民審査の違いから棄権の配慮を否定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。