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警察予備隊違憲訴訟

最大判昭和27年10月8日

裁判所は具体的事件を離れて法令等の合憲性を抽象的に判断できないとし、付随的違憲審査制を明らかにした判例

憲法違憲審査制・憲法訴訟裁判所・司法権本試験で 5 問(短答 5・論文 0)

出題:司法H22・司法H30・司法R5・司法R7・予備H23

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和27(マ)23 日本国憲法に違反する行政処分取消請求
裁判
判決・却下
判例集
民集 第6巻9号783頁
参照法条
憲法81条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

具体的事件を離れて最高裁判所は抽象的に法律命令等の合憲性を判断できるか

裁判要旨

最高裁判所は、具体的事件を離れて抽象的に法律、命令等が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有するものではない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

原告は、被告が昭和26年4月1日以降に行った警察予備隊の設置・維持に関する一切の行為の無効確認を求め、最高裁判所に直接訴えを提起した。対象には、行政行為だけでなく、事実行為、私法上の行為、予備隊の設置・維持に関する法令規則の一切が含まれていた。

原告の主張は次のとおりである。

  • 最高裁は、一方で司法裁判所の性格を持つ。
  • 他方で、具体的な争訟事件を離れて抽象的に、かつ一審にして終審として、法律・命令・規則・処分の合憲性を判断する特殊な権限をあわせ持つ。
  • その根拠は憲法81条である。
  • 最高裁判所裁判官に特別の資格が求められていること(裁判所法41条1項)も、この性格の表れである。

大法廷は、本件訴えを不適法として却下した。

争点

  • 最高裁判所は、具体的事件を離れて抽象的に法律・命令等の合憲性を判断する権限(憲法裁判所的権限)を有するか
  • 憲法81条は、最高裁判所に抽象的違憲審査権や第一審かつ終審の裁判権を与えたものか
  • 具体的な法律関係についての紛争でない訴えを、下級裁判所に移送すべきか

判旨

訴え却下(裁判官全員一致)。

規範

  • わが裁判所が現行制度上与えられているのは司法権を行う権限である。
  • 司法権が発動するには、具体的な争訟事件が提起されることが必要である。
  • 最高裁の違憲審査権(憲法81条)は司法権の範囲内で行使されるものであり、この点で最高裁と下級裁判所に違いはない(憲法76条1項参照)。
  • したがって、現行制度の下では、特定の者の具体的な法律関係につき紛争が存する場合にのみ裁判所の判断を求めることができる。
  • 具体的事件を離れて抽象的に法令等の合憲性を判断する権限があるとする見解には、憲法上も法令上も根拠がない。

あてはめ

  • 原告の請求は、具体的な法律関係についての紛争に関するものでないことが明白である。
  • よって本訴は不適法である。
  • この種の訴訟については、最高裁に限らずいかなる下級裁判所も裁判権を持たないため、下級裁判所への移送もしない。

判決文から

「わが裁判所が現行の制度上与えられているのは司法権を行う権限であり、そして司法権が発動するためには具体的な争訟事件が提起されることを必要とする。」

司法権発動の要件として具体的争訟を要求した核心部分

「この権限は司法権の範囲内において行使されるものであり、この点においては最高裁判所と下級裁判所との間に異るところはないのである」

違憲審査権が司法権に付随することを示す(付随的審査制)

「同条は最高裁判所が憲法に関する事件について終審的性格を有することを規定したものであり」

憲法81条の趣旨を終審的性格の規定と解した

「特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり」

裁判所の判断を求めうる場合を限定した結論的規範

「かかる訴訟については最高裁判所のみならず如何なる下級裁判所も裁判権を有しない。」

移送せず却下とした理由。下級裁判所も同様

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。