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最判昭和26年9月20日

傷害致死罪には致死結果の予見は不要であり、刑法207条は傷害致死の場合にも適用されるとした判例

刑法生命・身体に対する罪構成要件該当性・因果関係共同正犯本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H25・司法H28・司法R1・司法R3

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和26(れ)797 傷害致死
裁判
判決・棄却
判例集
刑集 第5巻10号1937頁
参照法条
刑法205条1項,刑法207条,旧刑訴法360条1項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 傷害致死罪の成立と致死の結果の予見の要否 二 二人以上の者が共謀しないで他人に暴行を加え傷害致死の結果を生じその傷害を生ぜしめた者を知ることができない場合の罪責

裁判要旨

一 傷害致死罪の成立には傷害と死亡、との間の因果関係の存在を必要とするにとどまり、致死の結果についての予見は必要としないのであるから、原判決が所論傷害の結果たる致死の予見について判示しなかつたからといつて、原判決には所論理由不備の違法は存しない。 二 二人以上の者が共謀しないで、他人に暴行を加え傷害致死の結果を生ぜしめた者を知ることができない場合は、共同暴行者はいずれも傷害致死の責任を負う。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人ほか2名が被害者に暴行を加えて傷害を負わせ、被害者は死亡した。原判決は、この傷害致死の事実について被告人ら3名の共同正犯を認定しなかった。そのうえで、二人以上の者が暴行を加えて人を傷害したが、その傷害を生じさせた者を知ることができないと判示し、刑法207条を適用して傷害致死の罪責を認めた。

弁護人は次の2点を主張して上告した。

  • 第1点:原判決が、傷害の結果である致死について被告人の予見を判示していないのは理由不備である(憲法違反の名目で主張)。
  • 第2点:刑法207条の適用は擬律錯誤であり、判例違反がある。

争点

  • 傷害致死罪(刑法205条)の成立に、致死の結果についての予見が必要か
  • 二人以上の者が共謀せずに暴行を加え、傷害致死の結果を生じさせたが、傷害を生じさせた者を知ることができない場合に、刑法207条を適用して各暴行者に傷害致死の責任を負わせることができるか

判旨

上告棄却。

  • 結果的加重犯における加重結果の予見:傷害致死罪の成立には、傷害と死亡との間の因果関係があれば足り、致死の結果についての予見は必要としない。したがって、原判決が致死の予見を判示しなかったことは理由不備にあたらない。
  • 207条の傷害致死への適用:二人以上の者が共謀しないで他人に暴行を加え、傷害致死の結果を生じさせたが、その傷害を生じさせた者を知ることができない場合には、刑法207条が適用される。共同暴行者はいずれも傷害致死の責任を負う。原判決は共同正犯を認定せず、207条の要件にあたる事実を判示しているから、207条の適用に擬律錯誤はない。

判決文から

「傷害致死罪の成立には傷害と死亡、との間の因果関係の存在を必要とするにとどまり、致死の結果についての予見は必要としないのであるから」

結果的加重犯で加重結果の予見を不要とした規範部分

「被告人外二名の共同正犯を認定せず却つて二人以上の者が暴行を加え人を傷害ししかもその傷害を生ぜした者を知ることできない旨判示している」

共同正犯不認定を前提に207条の要件を認定

「刑法二〇七条を適用したからといつて、原判決には所論の擬律錯誤の違法は存しない。」

傷害致死事案での207条適用を是認した結論

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。