最判昭和25年7月11日
自白の撤回では、自白した事実が真実に反すると証明されれば、その自白は錯誤によるものと認めてよいとした判例
民事訴訟法弁論主義・釈明権証拠総論・自由心証主義故意・錯誤本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法H22・予備H23
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和24(オ)219 約束手形金請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第4巻7号316頁
- 参照法条
- 民訴法257條
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
自白の取消と錯誤。
裁判要旨
自白の取消があつた場合において、自白した事実が真実に合致しないことの証明がある以上、その自白は錯誤に出たものと認めて差支えがない。
解説
事案
約束手形金請求事件である。被上告人(控訴審の被控訴人)は、三万円の小切手に関する事実について、いったん相手方の主張と一致する陳述(自白)をしていた。その後、従前の主張を撤回し、これと相容れない事実を主張した。
原審(名古屋高裁)は、被上告人の供述その他の資料から、自白した事実は真実に合致しないと認めた。そのうえで、主張の撤回は錯誤に出たものであると認定し、自白の取消しを認めた。
上告人は次のように主張して上告した。
- 相手方が自白を援用している以上、自白が錯誤に出たことと、その取消しの主張という二つの事実があって初めて、裁判所は取消しの適否を判断すべきである。
- 原審の錯誤の認定は違法である。
争点
- 従前の主張を撤回して相容れない事実を主張した場合に、自白の取消しの主張があったといえるか
- 自白の撤回(取消し)の要件である錯誤を、反真実の証明から認定できるか
判旨
上告棄却。
- 取消しの主張について:当事者が自白した事実について従前の主張を撤回し、これと相容れない事実を主張したときは、自白の取消しを主張したものと解される。
- 錯誤の認定について:自白した事実が真実に合致しないことの証明があれば、その自白は錯誤に出たものと認めることができる。
答案用の規範は次のとおりである。
- 裁判上の自白は、原則として撤回できない。
- ただし、①自白した事実が真実に反し、かつ②錯誤に基づく場合には、撤回が許される。
- ①反真実の証明があれば、②錯誤は(事実上)推定され、錯誤によるものと認めてよい。
判決文から
「当事者の自白した事実が真実に合致しないことの証明がある以上その自白は錯誤に出たものと認めることができる」
反真実の証明から錯誤を認定できるとした核心部分
「被上告人(被控訴人)は所論三万円の小切手について従前の主張を徹回し之と相容れない事実を主張したことが明らかであるから被上告人(被控訴人)は右三万円の小切手についての自白の取消を主張したものと解すべきは当然である」
相容れない主張を自白の取消しの主張と解した点
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
