最判昭和25年12月19日
権原なく不動産を占有する不法占有者は民法177条の「第三者」に当たらず、所有者は登記なしに所有権取得を対抗できる。
民法不動産登記と対抗要件物権総論・物権変動占有権・所有権・共有本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法R1・司法R8
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和24(オ)296 家屋明渡請求
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第4巻12号660頁
- 参照法条
- 民法177条。
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
不法占有者と民法第一七七条の「第三者」
裁判要旨
不動産の不法占有者は、民法第一七七条にいう「第三者」には当らない。
解説
事案
被上告人は本件家屋の所有者である。上告人らはこの家屋を占有しており、被上告人が家屋の明渡しを求めて訴えを提起した。
- 原審(大阪高裁)は、上告人らが何らの権原もなく家屋を占有する不法占有者であると認定した。
- そのうえで、被上告人の登記の点については判断しないまま、明渡請求を認容した。
上告人らは上告し、登記の点について判断しなかった原審の判断の当否が問題となった。
争点
- 不動産の不法占有者(無権原占有者)は民法177条にいう「第三者」に当たるか
- 所有者は、登記がなくても不法占有者に対し所有権取得を対抗して明渡しを請求できるか
判旨
上告棄却。
- 規範:不法占有者は民法177条にいう「第三者」に該当しない。
- 結論:所有者は、不法占有者に対しては登記がなくても所有権の取得を対抗できる。したがって、登記の有無を判断しないまま明渡請求を認容した原審は、結局正当である。
答案では「何らの権原なく不動産を占有する不法占有者は177条の『第三者』に当たらないから、所有者は登記なくして所有権を対抗し、明渡しを請求できる」と書けば足りる。
判決文から
「不法占有者は民法第一七七条にいう「第三者」に該当せず、これに対しては登記がなくても所有権の取得を対抗し得るものであること大審院の不変の判例で、当裁判所も是認する処である。」
規範部分。大審院判例を最高裁が承継した点
「上告人等は結局何等の権原なくして被上告人所有の本件家屋を占有する不法占有者だということになる。」
「第三者」否定の前提となる無権原の認定
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