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最判昭和24年2月8日

強盗か恐喝かは、暴行・脅迫が社会通念上一般に反抗を抑圧するに足りるかという客観的基準で決まるとした判例

刑法強盗罪詐欺・恐喝罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H27・司法R7・予備H27

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和23(れ)948 強盗致死、強盗
裁判
判決・棄却
判例集
刑集 第3巻2号75頁
参照法条
刑法236條,刑法249條,舊刑訴法350條,舊刑訴法344條

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 恐喝罪と強盜罪との區別の基準と被害者の主観 二 辯論再開の申請に對する決定の要否 三 辯論再開をしなかつた場合辯論終結後の證據調の申請に對する決定の要否

裁判要旨

一 他人に暴行又は脅迫を加えて財物を奪取した場合に、それが恐喝罪となるか強盜罪となるかは、その暴行又は脅迫が、社會通念上一般に被害者の反抗を抑壓するに足る程度のものであるかどうかと云う客観的基準によつて決せられるのであつて、具體的事案の被害者の主観を基準としてその被害者の反抗を抑壓する程度であつたかどうかと云うことによつて決せられるものではない。 二 辯論の再開は裁判所の職權に屬するところであつて、辯護人の爲す再開の申請は右職權の發動を促すだけのものである。從つて裁判所が再開の必要がないと認めた以上、その申請について決定をする必要はないのである。 三 辯論終結後の證據調の申請は、裁判所が辯論再開の必要がないと認めて辯論を再開しなかつた場合には、何等訴訟法上の効果を生ずるものではないから、これに對して決定をする必要はないのである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人ら3名は、昭和22年8月23日午後11時半頃に被害者方へ行き、匕首を示して被害者を脅迫した。被告人らは、被害者が差し出した現金200円を強取し、さらに財布を奪い取った。原審(高松高裁)はこれを強盗罪と認定した(本件は強盗致死・強盗被告事件である)。

弁護人の上告理由は2つである。

  • 被害者は現実には反抗を抑圧される程度に至っていなかったから、強盗罪ではなく恐喝罪とすべきであり、原判決には擬律錯誤がある。
  • 原審は弁論終結後に提出された弁論再開と証拠調べの申請について、許否の決定をしないまま判決を言い渡しており違法である。

このほか被告人Bは、致死の点について殺意がなかったこと、家庭の状況・動機・犯行後の心境などを述べて寛大な処分を求めた。

争点

  • 恐喝罪(刑法249条)と強盗罪(刑法236条)を区別する基準は何か。被害者の主観を基準とするのか
  • 被害者がたまたま反抗を抑圧されるに至らなかった場合、恐喝罪にとどまるか
  • 弁護人の弁論再開の申請に対し、裁判所は決定をする必要があるか
  • 弁論を再開しなかった場合、弁論終結後の証拠調べ申請に対して決定が必要か

判旨

上告棄却。

  • 規範:他人に暴行・脅迫を加えて財物を奪取した場合、恐喝罪か強盗罪かは、その暴行・脅迫が社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものかどうかという客観的基準で決まる。具体的事案の被害者の主観を基準として、その被害者の反抗を抑圧する程度だったかどうかで決まるのではない。
  • 当てはめ:被告人ら3名が深夜に被害者方へ行き、匕首を示して脅迫した行為は、社会通念上被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものであることが明らかである。したがって強盗罪に当たる。仮に被害者が偶々反抗を抑圧される程度に至らなかったとしても、恐喝罪にはならない。
  • 手続面:弁論の再開は裁判所の職権に属し、弁護人の再開申請は職権の発動を促すにすぎない。裁判所が再開の必要がないと認めた以上、申請について決定する必要はない。弁論を再開しなかった場合、弁論終結後の証拠調べ申請は訴訟法上何の効果も生じないので、これについても決定は不要である。

判決文から

「その暴行又は脅迫が、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものであるかどうかと云う客観的基準によつて決せられるのであつて」

強盗・恐喝の区別基準(客観説)の核心部分

「具体的事案の被害者の主観を基準としてその被害者の反抗を抑圧する程度であつたかどうかと云うことによつて決せられるものではない」

被害者の主観基準を明示的に否定している

「仮りに所論の如く被害者Aに対しては偶々同人の反抗を抑圧する程度に至らなかつたとしても恐喝罪となるものではない」

現実に反抗抑圧がなくても恐喝罪に落ちない

「弁論の再開は裁判所の職権に属するところであつて、弁護人の為す再開の申請は右職権の発動を促すだけのものである。」

再開申請に対する決定が不要である理由

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。