大判昭和18年7月20日
請負人が材料を提供しても、報酬の大半が支払済みなら、建物は完成と同時に注文者に原始的に帰属するとした判例
民法請負・委任・寄託本試験で 2 問(短答 1・論文 1)
出題:司法R1・司法R6
解説
事案
請負人が材料の全部を提供して建物を建築した事案である。
- 注文者は、棟上げの時までに報酬の半額以上を支払っていた。
- その後も、工事の進行に応じて残額を支払っていた。
このような支払状況のもとで、完成した建物の所有権が請負人と注文者のどちらに帰属するかが争われた。
争点
- 請負人が材料を提供して建築した建物の所有権は、注文者と請負人のいずれに帰属するか
- 完成前に報酬の全部または大部分が支払われていた場合に、注文者への帰属を認めることができるか
判旨
請負人が材料を提供して建物を建築した場合、完成建物の所有権は原則として請負人に原始的に帰属する。
もっとも、完成前に請負代金の全部または大部分が支払われていたときは、帰属が変わる。具体的には、棟上げ時までに報酬の半額以上が支払われ、以後も工事の進行に応じて残額が支払われていたような場合である。このときは、完成と同時に注文者に所有権を帰属させる旨の合意があったと推認される。
そのため、特段の事情のない限り、建物は完成と同時に注文者に原始的に帰属する。
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