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ガソリンカー事件

大判昭和15年8月22日

ガソリンを動力とする車両(ガソリンカー)も過失往来危険罪(刑法129条)の「汽車」に含まれるとした判例

刑法罪刑法定主義本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法R8・予備R8

解説

事案

過失往来危険罪(刑法129条)の成否が問題となった事案である。同条は客体を「汽車、電車又は艦船」と定めており、ガソリンを動力とする鉄道車両(ガソリンカー)は文言上どれにも直接は当たらない。

そこで、ガソリンカーを同条の「汽車」に含めて処罰できるかが争われた。刑罰法規の文言を処罰の方向へ広げて読むことになるため、罪刑法定主義が禁止する類推解釈に当たらないかが問題となった。

争点

  • ガソリンを動力とする車両(ガソリンカー)は、刑法129条(過失往来危険罪)の「汽車」に含まれるか
  • そのように解することは、罪刑法定主義に反する類推解釈に当たらないか(拡張解釈と類推解釈の限界)

判旨

結論:ガソリンカーも刑法129条の「汽車」に含まれる。

位置づけ:判例上、これは法規の趣旨に照らした拡張解釈として許容されたものと扱われている。法文の可能な意味の範囲内での解釈は、罪刑法定主義に反しないという理解である。

答案に書ける規範:刑罰法規の解釈は、法規の趣旨に照らし、法文の可能な意味の範囲内であれば、拡張解釈として許される。その範囲を超えて、法文に含まれない事実に規定を及ぼす類推解釈は、罪刑法定主義に反し許されない。

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