大判明治43年6月30日
偽造通貨を真正な通貨として使って財物を得た場合、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収され、別に成立しない
刑法罪数論文書偽造罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)
出題:司法H22・司法R5・予備R5
解説
事案
偽造された通貨を、真正な通貨であるかのように装って代金の支払いに充て、相手方から財物を得たという事案である。
- 行使の相手方は偽造通貨を真正なものと誤信して受け取り、その対価として財物を交付している。
- 外形上は、偽造通貨行使罪(刑法148条2項)のほかに、相手方を欺いて財物を交付させた点で詐欺罪(刑法246条1項)にも当たるようにみえる。
- そこで、行使罪とは別に詐欺罪が成立するか、両罪がどういう関係に立つかが問題となった。
争点
- 偽造通貨を真正な通貨として行使して財物を得た場合に、偽造通貨行使罪とは別に詐欺罪が成立するか
- 偽造通貨行使罪と詐欺罪の罪数関係(吸収か牽連犯か)
判旨
結論:偽造通貨を真正な通貨として行使して財物を得た場合、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収される。別に詐欺罪は成立せず、偽造通貨行使罪の一罪となる。
規範(答案用):偽造通貨の行使は、通常、相手方を欺いて財物を取得することを含む。そのため、偽造通貨を真正な通貨として代金の支払い等に充てて財物を得た場合には、詐欺罪は偽造通貨行使罪に吸収され、偽造通貨行使罪(刑法148条2項)のみが成立する。
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