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最判平成9年2月25日

原賃貸借が賃借人の債務不履行で解除されると、承諾転貸借は賃貸人が転借人に返還請求した時に履行不能で終了する

民法債務不履行・損害賠償弁済・相殺賃貸借・使用貸借本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H28・司法H29・司法R8

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
平成6(オ)456 建物賃料等請求本訴、保証金返還請求反訴
裁判
判決・破棄自判
判例集
民集 第51巻2号398頁
参照法条
民法601条,民法612条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

賃借人の債務不履行による賃貸借の解除と賃貸人の承諾のある転貸借の帰すう

裁判要旨

賃貸借が賃借人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

Xは建物を所有者Dから賃借し、Dの承諾を得てYらに転貸していた。Yらはこの建物でスイミングスクールを営んでいた。Xが昭和61年5月分以降の賃料を払わなかったため、Dは催告と停止条件付解除の意思表示をし、原賃貸借は昭和62年1月31日に解除で終了した。

Dは同年2月25日、Yら(転借人)とX(賃借人)を相手に明渡請求訴訟を起こした。Yらは昭和63年12月1日以降、Xに転借料を払わなかった。平成3年6月にDの明渡請求を認める判決が出てYらについて確定し、同年10月15日の強制執行でYらは明渡しを終えた。

XはYらに対し、昭和63年12月1日から明渡しまでの転借料合計1億3110万円を請求した(主位的に転貸借契約、予備的に不当利得)。原審は、原賃貸借が解除されても転貸借は終了せず、Yらは使用収益を続ける限り転借料の支払義務を免れないとした。そのうえでYらの相殺の抗弁を一部認め、残額で請求を認容した。

争点

  • 原賃貸借が賃借人(転貸人)の債務不履行を理由に解除された場合、賃貸人の承諾のある転貸借は終了するか
  • 終了するとして、その時期はいつか
  • 転借人が目的物の使用収益を事実上続けている間、転貸人は転借料を請求できるか

判旨

結論:破棄自判。Xの主位的請求(転借料)と予備的請求(不当利得)をいずれも棄却した。

規範:賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了する。

あてはめ:Dは昭和62年2月25日に訴えを提起し、Yらに明渡しを請求した。そのため転貸借は、転借料の請求期間が始まる昭和63年12月1日の時点で既に履行不能により終了していた。したがって同日以降の転借料請求は、相殺の抗弁を判断するまでもなく失当である。Yらが事実上使用を続けていても結論は変わらない。不当利得を理由とする予備的請求も理由がない。

判決文から

「賃貸借契約が転貸人の債務不履行を理由とする解除により終了した場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求した時に、転貸人の転借人に対する債務の履行不能により終了すると解するのが相当である。」

規範そのもの。終了時期は返還請求時、終了原因は履行不能

「転貸人が、自らの債務不履行により賃貸借契約を解除され、転借人が転借権を賃貸人に対抗し得ない事態を招くことは、転借人に対して目的物を使用収益させる債務の履行を怠るものにほかならない。」

転貸人の債務の内容を対抗し得る権原の確保と捉える点

「転借人が賃貸人に転借権を対抗し得る状態を回復することは、もはや期待し得ないものというほかはなく、転貸人の転借人に対する債務は、社会通念及び取引観念に照らして履行不能というべきである。」

返還請求時に履行不能となる根拠(社会通念・取引観念)

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。