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最判平成6年5月31日

権利能力なき社団である入会団体は総有権確認訴訟の原告適格を持つ。代表者の追行には処分と同じ授権が必要とした判例

民事訴訟法当事者・当事者能力用益物権無効・取消し・条件期限本試験で 8 問(短答 6・論文 2)

出題:司法H28・司法R5・予備H27・予備H29・予備R4・予備R5・予備R8

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
平成3(オ)1724 所有権確認等
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第48巻4号1065頁
参照法条
民法33条,民法263条,民訴法45条,民訴法46条,民訴法58条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 総有権確認請求訴訟において入会団体が原告適格を有する場合 二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合における特別の授権の要否 三 権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員が総有不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する場合

裁判要旨

一 入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、右入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。 二 権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、右入会団体の規約等において右不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要する。 三 権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産について代表者でない構成員甲を登記名義人とすることとされた場合には、甲は、右不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人A1管理組合は、a町の地域に居住する一定の資格を有する者で構成される入会団体である。規約によって代表の方法、総会の運営、財産の管理などが定められていた。

A1は、本件各土地がA1の構成員全員の総有に属することの確認を求めて訴えを提起した(総有権確認請求)。代表者である組合長Dは、提訴に先立ち、本件訴訟の追行について、財産処分に規約上必要とされる総会の議決による承認を得ていた。

あわせて、構成員A2も本件各土地の登記手続を求めて訴えを提起した。A2は代表者ではないが、提訴に先立ち、総会での構成員全員一致の議決によって本件各土地の登記名義人とすることとされていた。

原審(名古屋高裁)は、A1・A2はいずれも原告適格を欠くとして、両訴えを却下した。A1・A2が上告した。

争点

  • 権利能力のない社団である入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有するか
  • 入会団体の代表者がその訴訟を原告の代表者として追行するには、特別の授権を要するか。要するとして、どのような手続による授権か
  • 規約等の手続により登記名義人とされた、代表者でない構成員は、総有不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有するか

判旨

原判決破棄・差戻し。

  • 原告適格:入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合、その入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産について、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。
  • 代表者の授権:代表者がこの訴訟を原告の代表者として追行するには、規約等においてその不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要する。
  • 登記名義人とされた構成員:規約等に定められた手続により、代表者でない構成員が総有不動産の登記名義人とされた場合、その構成員は、自己の名で登記手続請求訴訟を追行する原告適格を有する。
  • あてはめ:A1は権利能力のない社団に当たり、Dは規約上の総会議決による承認を得ていた。A2は全員一致の議決で登記名義人とされていた。したがって、いずれも原告適格がある。

判決文から

「訴訟における当事者適格は、特定の訴訟物について、誰が当事者として訴訟を追行し、また、誰に対して本案判決をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられるべき事柄である」

当事者適格の一般的判断枠組み

「当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟を追行する原告適格を有するものと解するのが相当である」

判旨一の規範部分

「当該入会団体の規約等において当該不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要するものと解するのが相当である」

判旨二。授権の水準は処分と同じ

「入会団体が敗訴した場合には構成員全員の総有権を失わせる処分をしたのと事実上同じ結果をもたらすことになる」

授権を要求する実質的理由

「当該構成員は、入会団体の代表者でなくても、自己の名で右不動産についての登記手続請求訴訟を追行する原告適格を有するものと解するのが相当である」

判旨三の規範部分

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。