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最判平成6年2月22日

弁済期後に譲渡担保権者が目的不動産を譲渡すれば、譲受人が背信的悪意者でも設定者は受戻しできない。

民法その他の担保物権時効本試験で 6 問(短答 6・論文 0)

出題:司法H26・司法H27・司法R1・司法R5・予備R2・予備R5

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
平成1(オ)23 家屋明渡
裁判
判決・破棄差戻
判例集
民集 第48巻2号414頁
参照法条
民法369条(譲渡担保)

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

譲渡担保権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を譲渡した場合における受戻しの許否

裁判要旨

譲渡担保権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を譲渡した場合には、譲渡担保を設定した債務者は、譲受人がいわゆる背信的悪意者に当たるときであると否とにかかわらず、債務を弁済して目的不動産を受け戻すことができない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

Bは、Dから52万円を、毎月5000円ずつ分割で返済する約定で借り受けた。その担保として、自己所有の土地と本件建物の所有権をDに移転し、贈与を原因とする所有権移転登記をした。Bは昭和38年5月以降、返済を怠った。

最終弁済期(昭和40年10月21日)を過ぎた後の昭和54年8月、Dは本件土地建物を上告人に贈与し、所有権移転登記をした。その後の昭和56年8月、Bは残元金と遅延損害金を供託した。

上告人は、所有権に基づいて本件建物の明渡しを請求した。原審は、次のように判断して請求を棄却した。

  • 弁済期後に第三者へ譲渡された場合でも、譲受人が背信的悪意者であれば、債務者は清算までは弁済して受け戻せる。
  • 受け戻した所有権は、登記なくして譲受人に対抗できる。
  • 上告人は背信的悪意者に当たるから、Bは供託により受け戻した。

上告人が上告した。

争点

  • 弁済期後に譲渡担保権者が目的不動産を第三者に譲渡した場合、設定者はなお受戻しができるか
  • 譲受人が背信的悪意者であるときに、結論が異なるか

判旨

原判決中上告人敗訴部分を破棄し、差し戻した。

規範

  • 不動産譲渡担保で債務者が弁済期に弁済しないときは、帰属清算型か処分清算型かを問わず、債権者は目的物の処分権能を取得する。
  • 債権者がこの権能に基づいて目的物を第三者に譲渡したときは、原則として、譲受人は所有権を確定的に取得する。
  • 債務者は、清算金があれば債権者にその支払を求めうるにとどまり、残債務を弁済して受け戻すことはできなくなる。
  • この理は、譲受人が背信的悪意者に当たる場合でも異ならない。

あてはめ
最終弁済期後のDの贈与によって、Bは受戻しができなくなり、上告人は所有権を確定的に取得した。そのうえで、被上告人らの清算金との引換給付の主張などの抗弁を審理させるため、原審に差し戻した。

判決文から

「債権者は、右譲渡担保契約がいわゆる帰属清算型であると処分清算型であるとを問わず、目的物を処分する権能を取得する」

帰属清算型でも弁済期後は処分権能が生じる

「譲受人は目的物の所有権を確定的に取得し、債務者は、清算金がある場合に債権者に対してその支払を求めることができるにとどまり、残債務を弁済して目的物を受け戻すことはできなくなる」

処分による受戻権消滅と清算金請求への転化

「この理は、譲渡を受けた第三者がいわゆる背信的悪意者に当たる場合であっても異なるところはない。」

背信的悪意者でも受戻し不可という本判決の核心

「そのように解さないと、権利関係の確定しない状態が続くばかりでなく、譲受人が背信的悪意者に当たるかどうかを確知し得る立場にあるとは限らない債権者に、不測の損害を被らせるおそれを生ずるからである。」

背信的悪意者を例外としない理由

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。