最決平成6年12月9日
国外で幇助しても、正犯が国内で実行行為をすれば、幇助者も刑法1条1項の国内犯に当たるとした決定
出題:司法R8・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成5(あ)465 覚せい剤取締法違反、同幇助、関税法違反、同幇助
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第48巻8号576頁
- 参照法条
- 刑法1条1項,刑法62条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
正犯の実行行為が日本国内で行われた場合における日本国外で幇助行為をした者と刑法一条一項
裁判要旨
日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法一条一項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たる。
解説
事案
Aらは、日本国外から日本国内に覚せい剤を輸入し、覚せい剤取締法違反と関税法違反の各罪を犯した。被告人はBとともに、日本国外でその覚せい剤を調達してAに手渡し、Aらの各犯行を容易にして幇助した。
原判決(大阪高裁)は、刑法8条・1条1項により、被告人の各幇助行為に覚せい剤取締法・関税法の各罰則を適用した。
被告人側の上告趣意は単なる法令違反・量刑不当・事実誤認の主張で、刑訴法405条の上告理由に当たらないとされた。そのうえで最高裁が、職権で、国外での幇助行為に日本の刑法が及ぶかを判断した。
争点
- 日本国外で幇助行為をした者は、正犯が日本国内で実行行為をした場合、刑法1条1項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たるか
- 国外での幇助行為に、刑法8条・1条1項を通じて特別刑法(覚せい剤取締法・関税法)の罰則を適用できるか
判旨
上告棄却。
規範:日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法1条1項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」(現行法では「日本国内において罪を犯した」者)に当たる。
あてはめ:被告人は国外で覚せい剤を調達してAに手渡し、Aらはその覚せい剤を日本国内に輸入した。正犯の実行行為が国内にある以上、被告人の幇助行為も国内犯となる。したがって、刑法8条・1条1項により覚せい剤取締法違反幇助・関税法違反幇助の罰則を適用した原判決は正当である。
裁判官全員一致の決定である。
判決文から
「日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法一条一項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たると解すべきであるから」
決定の規範部分。そのまま要旨になっている
「同法八条、一条一項により、被告人の前記各幇助行為につき原判示の各刑罰法規を適用した原判決は、正当である。」
刑法8条を介して特別法の罰則に適用
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
