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最判平成6年12月16日

要役地所有者らが拡幅を働きかけ、自らも負担して公道を拡幅した場合、通路開設の要件を満たすとして通行地役権の時効取得を認めた事例

民法用益物権本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H24・司法R6・予備R6

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成6(オ)414 通行地役権確認等
裁判
判決・棄却
判例集
集民 第173号517頁
参照法条
民法283条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

要役地の所有者によって通路が開設されたとして通行地役権の時効取得が認められた事例

裁判要旨

公道に接する土地を所有する甲が、乙に対して右公道の拡幅のためにその所有地の一部を提供するよう働きかける一方、自らも所有地の一部を提供する等の負担をし、甲のこれらの行為の結果として、右公道全体が拡幅され、乙の右所有地も拡幅部分の一部として通行の用に供されるようになったなど判示の事実関係の下においては、乙の右所有地については、要役地の所有者である甲によって通路が開設されたものとして、通行地役権の時効取得が認められる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人は、北側と西側の二方で公道に接する宅地を所有していた。本件土地はその一部で、西側道路に接する東西幅約0.9mの南北に細長い土地である。被上告人らは、西側道路のうち本件土地より南の部分の両側に土地を所有し、北側の公道へ出るために西側道路を通行していた。

昭和43年12月ころ、上告人は西側道路との境界線に沿ってフェンスを設置しようとした。その際、被上告人らから道路拡幅のため所有地の一部を提供するよう強く働きかけられた。そこで上告人は、境界より東に引き込み、本件土地の東端線に沿ってフェンスを設置した。

ほぼ同じ時期に、被上告人らも、自己の所有地に接する部分について、各自が所有地の一部を提供し、または費用の一部を負担して、共同で拡幅を行った。その結果、西側道路は幅員約3.6mとなり、本件土地は拡幅部分の一部となった。

被上告人らはその後、土砂を入れ、除草をするなど拡幅部分を維持管理し、20年以上通行に使用した。被上告人らは本件土地について通行地役権の確認等を求め、原審はその時効取得を認めた。

争点

  • 通行地役権の時効取得における民法283条の「継続」要件の内容
  • 承役地所有者が自らフェンスを引き込んで土地を道路部分とした場合に、要役地所有者による通路の開設といえるか

判旨

上告棄却。被上告人らの通行地役権の時効取得を認めた。

規範

  • 地役権は「継続」かつ「表現」のものに限って時効取得できる(民法283条)。
  • 通行地役権が「継続」の要件を満たすには、要役地の所有者によって承役地となる土地の上に通路が開設されたことを要する(先例の確認)。

あてはめ

  • 要役地所有者らは、承役地所有者に対し、拡幅用地として所有地の一部を提供するよう働きかけた。
  • 同時に、自らも各自の所有地の一部を提供するなどの負担をした。
  • これらの行為の結果、道路全体が拡幅され、本件土地もその一部として通行の用に供されるようになった。
  • 以上から、本件土地については要役地所有者らによって通路が開設されたものといえる。
  • 開設後20年以上通行に使用したので、通行地役権の時効取得が認められる。

判決文から

「通行地役権について右「継続」の要件を満たすには、要役地の所有者によって承役地となる土地の上に通路が開設されたものであることを要すると解される」

「継続」要件の規範(先例の確認)

「本件土地については、要役地の所有者である被上告人らによって通路が開設されたものというべきである。」

承役地所有者の提供でも開設主体を要役地側と評価

「被上告人らは、右開設後二〇年以上本件土地を通行のために使用したことにより、本件土地につき通行地役権を時効取得したということができる」

開設後の通行継続による時効取得の結論

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。