最判平成6年1月25日
主従関係のない2棟の建物が隔壁除去で1棟になっても、旧建物の抵当権は消滅せず、価格割合に応じた持分の上に存続する。
民法占有権・所有権・共有抵当権訴訟行為・期日期間本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法R1・司法R8
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 平成3(オ)2024 建物明渡
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第48巻1号18頁
- 参照法条
- 民法244条,民法247条2項,民法369条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長
裁判要旨
互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合、甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権は、丙建物のうち甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。
解説
事案
建物明渡請求事件である。
- 互いに主従の関係にない旧建物(一)と旧建物(二)には、それぞれ抵当権が設定され、登記されていた。
- その後、両建物の間の隔壁を除去するなどの工事が行われ、両建物は一棟の本件建物となった。
- 上告人Aは、この工事で本件建物となった後に、所有者から本件建物を借り受け、引渡しを受けた。
- 上告人らは、建物の合体によって旧建物上の抵当権は消滅したと主張した。あわせて、Aの賃借と引渡しは抵当権の設定・登記に先立つとも主張し、明渡しを争った。
- 原審(大阪高裁)は、抵当権は合体後の建物の持分上に存続するとし、Aの上記主張は信義則上許されないとした。上告人らがこれを不服として上告した。
争点
- 互いに主従の関係にない2棟の建物が隔壁除去等の工事で1棟となった場合、旧建物を目的とする抵当権は消滅するか。存続するなら何を目的とするか
- 合体後に建物を借り受けて引渡しを受けた者が、旧建物の抵当権者に対し、自己の賃借・引渡しが抵当権の設定・登記に先立つと主張できるか
判旨
上告棄却。
- 規範:互いに主従の関係にない甲・乙2棟の建物が、隔壁除去等の工事によって一棟の丙建物となっても、甲建物または乙建物を目的とする抵当権は消滅しない。この抵当権は、丙建物のうち甲建物または乙建物の価格の割合に応じた持分を目的として存続する。
- 信義則:原審の確定した事実関係の下では、合体後に所有者から建物を借り受けて引渡しを受けた上告人Aが、旧建物の抵当権者に対し、自己の賃借・引渡しが抵当権の設定・登記より先だと主張することは、信義則上許されない。この原審の判断も正当とされた。
判決文から
「右抵当権は、丙建物のうちの甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続すると解するのが相当である。」
抵当権の存続とその目的(持分)を示す規範部分
「甲建物又は乙建物の価値は、丙建物の価値の一部として存続しているものとみるべきであるから、不動産の価値を把握することを内容とする抵当権は、当然に消滅するものではなく」
抵当権の価値権的性格から存続を導く理由づけ
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
