最判平成5年1月21日
無権代理人が本人を共同相続した場合、共同相続人全員の追認がなければ、無権代理人の相続分の範囲でも当然には有効とならない
出題:司法H23・司法H26・司法H28・司法R4・予備H23・予備H26
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成4(オ)87 土地建物所有権移転登記抹消登記、土地所有権移転請求権仮登記抹消登記等
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 集民 第167号331頁
- 参照法条
- 民法113条,民法117条,民法896条,民法898条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
無権代理人が本人を共同相続した場合における無権代理行為の効力
裁判要旨
無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない。 (反対意見がある。)
解説
事案
被上告人Bは、本人Dの無権代理人として、上告人との間で譲渡担保設定行為をした。その後Dが死亡し、BはDの他の相続人とともにDを共同相続した。
被上告人らは、土地建物の所有権移転登記の抹消登記や、土地の所有権移転請求権仮登記の抹消登記などを求めて訴えを提起した。
原審は、BがDを共同相続しても、Bのした無権代理行為が当然に有効になるものではないとした。そのうえで、譲渡担保設定契約の成否を確定しないまま、被上告人らの請求を認容した。
上告人は、判例を引用して原審の判断を争い、上告した。
争点
- 無権代理人が本人を他の相続人と共同相続した場合、無権代理行為は無権代理人の相続分に相当する部分で当然に有効となるか
- 共同相続された追認権の帰属と行使の方法
判旨
上告棄却。
規範
- 無権代理人が本人を他の相続人と共同相続した場合、無権代理行為を追認する権利は、その性質上、相続人全員に不可分的に帰属する(民法113条・896条・898条)。
- したがって、共同相続人全員が共同して追認権を行使しない限り、無権代理行為は有効とならない。
- 他の共同相続人全員が追認している場合に、無権代理人が追認を拒絶することは信義則上許されない。
- しかし、他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても当然に有効とはならない。
あてはめ
本人Dが死亡し、無権代理人Bが他の共同相続人とともに相続人となっても、Bのした譲渡担保設定行為は当然に有効とはならない。これと同旨の原審の判断は正当である。
判決文から
「無権代理行為を追認する権利は、その性質上相続人全員に不可分的に帰属する」
追認権の不可分的帰属という結論の出発点
「無権代理行為の追認は、本人に対して効力を生じていなかった法律行為を本人に対する関係において有効なものにするという効果を生じさせるものであるから」
全員による共同行使を要する理由づけ
「他の共同相続人全員が無権代理行為の追認をしている場合に無権代理人が追認を拒絶することは信義則上許されない」
信義則が働く場面を限定的に示す部分
「他の共同相続人全員の追認がない限り、無権代理行為は、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効となるものではない。」
相続分限度の部分的有効を否定した結論
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
