最判平成4年4月10日
相続開始時の金銭は遺産分割までは、保管中の共同相続人に相続分相当額の支払を請求できない
出題:司法H28・司法R6・司法R8・予備H28
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成1(オ)433 保管金返還
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 集民 第164号285頁
- 参照法条
- 民法898条,民法899条,民法907条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
相続人が遺産分割前に遺産である金銭を保管している他の相続人に対して自己の相続分相当の金銭の支払を請求することの可否
裁判要旨
相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。
解説
事案
上告人らと被上告人は、いずれも亡Dの相続人である。相続開始時にあった相続財産である金銭を、被上告人が相続財産として保管していた。上告人らは、遺産分割がされる前に、被上告人に対し、その金銭のうち自己の相続分に相当する額の支払を求めて訴えを提起した(保管金返還請求)。
第一審は、被上告人に対する仮執行宣言付きの給付判決を言い渡した。原審(東京高裁)はこの第一審判決を変更し、上告人らの請求を失当とした。上告人らが上告した。
あわせて被上告人は、上告審において、民訴法198条2項(旧法)に基づく裁判(仮執行により給付したものの返還等)を求める申立てをした。
争点
- 遺産分割前に、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している共同相続人に対し、他の相続人は自己の相続分相当額の支払を請求できるか
- (付随)第一審で仮執行宣言付給付判決を受けた者が、控訴審で申立てをせず、上告審で初めて旧民訴法198条2項の裁判を求める申立てをすることができるか
判旨
結論:上告棄却。上告人らの請求を失当とした原審の判断は正当である。
規範:相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない。
手続面:第一審で仮執行宣言付給付判決を受けた者が、控訴審で旧民訴法198条2項の裁判を求める申立てをしないまま、第一審の本案判決を変更する判決を受けたとする。これに対して相手方が上告した場合、被上告人は上告裁判所に対してこの申立てをすることができない(最判昭和55年1月24日を引用)。したがって本件申立ては不適法として却下された。
判決文から
「相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできないと解するのが相当である。」
本判決の規範そのもの。答案にそのまま使える
「第一審において仮執行宣言付給付判決の言渡しを受けた者が、控訴審で民訴法一九八条二項の裁判を求める申立てをすることなく、第一審の本案判決変更の判決の言渡しを受け、」
付随的な手続判断(上告審での申立ての不適法)
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
