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最判平成4年12月10日

条例上の非開示決定通知書に根拠条項を示すだけでは理由付記として不十分で違法とし、後日の口頭説明による瑕疵の治癒も否定した事例

民法代理情報公開・個人情報親族(婚姻・親子)本試験で 4 問(短答 3・論文 1)

出題:司法H23・司法H28・司法R2

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
平成4(行ツ)48 警視庁情報非開示決定処分取消
裁判
判決・棄却
判例集
集民 第166号773頁
参照法条
東京都公文書の開示等に関する条例7条1項,東京都公文書の開示等に関する条例7条2項,東京都公文書の開示等に関する条例7条4項,東京都公文書の開示等に関する条例9条8号

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

東京都公文書の開示等に関する条例七条に基づいてされた公文書の非開示決定が理由付記の要件を欠き違法であるとされた事例

裁判要旨

東京都公文書の開示等に関する条例五条に基づき「個人情報実態調査に関して警視庁から入手、取得した一切の文書」の開示の請求をした者に対する非開示決定の通知書に、非開示の理由として、「東京都公文書の開示等に関する条例第九条第八号に該当」と記載されているにすぎないときは、右決定は、同条例七条四項の定める理由付記の要件を欠き、違法である。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人(開示請求者)は、平成元年8月23日、東京都公文書の開示等に関する条例(本条例)5条に基づき、「個人情報実態調査に関して警視庁から入手、取得した一切の文書」の開示を請求した。上告人(実施機関)は、対象文書を警視庁から提出された「個人情報保護対策の検討について」と題する文書(本件文書)と特定した。そのうえで、同年9月5日付けの書面により、「東京都公文書の開示等に関する条例第九条第八号に該当」との理由だけを付して非開示を通知した。

本条例7条4項は、非開示決定の通知書に非開示の理由を付記することを求めている。また本条例9条8号は、監査・検査・取締り・争訟・交渉方針など実施機関の事務事業に関する情報について、事務事業の目的が損なわれるおそれ、関係当事者間の信頼関係が損なわれると認められるものなど、多数の非開示事由を列挙する規定である。

後日、実施機関の補助職員が被上告人に口頭で非開示理由を説明した。原審は非開示決定を理由付記不備により違法とし、上告人が上告した。

争点

  • 非開示決定通知書に非開示の根拠条項(本条例9条8号)を示すだけで、本条例7条4項の理由付記として足りるか
  • 理由付記の程度は、相手方が理由を知っていたかどうかに左右されるか
  • 後日の口頭による理由説明によって、理由付記不備の瑕疵が治癒されるか

判旨

上告棄却。非開示決定は理由付記の要件を欠き違法である。

  • 規範①(程度の決め方):法令が行政処分に理由付記を求める場合、どの程度の記載が必要かは、処分の性質と、理由付記を命じた各法令の趣旨・目的に照らして決める。
  • 規範②(非開示決定の場合):非開示決定通知書に付記すべき理由は、開示請求者が、条例所定の非開示事由のどれに該当するのかを、その根拠とともに了知しうるものでなければならない。単に非開示の根拠規定を示すだけでは、公文書の種類・性質等とあいまって請求者がそれらを当然知りうる場合を除き、不十分である。
  • あてはめ:本件文書の種類・性質等を考慮しても、「9条8号に該当」との記載では、いかなる根拠で同号のどの事由に当たるのかを知りえない。よって違法である。
  • 規範③:記載を要する理由の程度は、相手方の知・不知にかかわらない。後日、補助職員が口頭で理由を説明しても、付記理由不備の瑕疵は治癒されない。

判決文から

「一般に、法令が行政処分に理由を付記すべきものとしている場合に、どの程度の記載をすべきかは、処分の性質と理由付記を命じた各法令の趣旨・目的に照らしてこれを決定すべきである」

理由付記の程度を決める一般的判断枠組み

「非開示理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当を担保してそのし意を抑制するとともに、非開示の理由を開示請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与える趣旨に出たものというべきである。」

理由付記の二つの趣旨(恣意抑制・不服申立便宜)

「単に非開示の根拠規定を示すだけでは、当該公文書の種類、性質等とあいまって開示請求者がそれらを当然知り得るような場合は別として、本条例七条四項の要求する理由付記としては十分でないといわなければならない。」

根拠条項のみの記載は原則不十分とする規範

「これに記載することを要する非開示理由の程度は、相手方の知、不知にかかわりがないものというべきである」

相手方が理由を知っていても不備は補われない

「後日、実施機関の補助職員によって、被上告人に対し口頭で非開示理由の説明がされたとしても、それによって、付記理由不備の瑕疵が治癒されたものということはできない。」

事後の口頭説明による瑕疵の治癒を否定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。