猫の死骸事件
机の引き出しに猫の死がいを入れて発見させ畏怖させた行為を、刑法234条の「威力」に当たるとした事例
出題:司法R4・司法R8・予備R4・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成4(あ)267 威力業務妨害
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第46巻8号623頁
- 参照法条
- 刑法234条,軽犯罪法1条31号
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
猫の死がいを被害者の事務机引き出し内に入れておき同人に発見させるなどした行為が刑法二三四条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合に当たるとされた事例
裁判要旨
被害者の事務机引き出し内に赤く染めた猫の死がいを入れておくなどして、被害者にこれを発見させ、畏怖させるに足りる状態においた一連の行為(判文参照)は、刑法二三四条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合に当たる。
解説
事案
被告人は、部下の消防署職員と共謀し、町消防本部消防長の業務を妨害しようと考えた。
- 被告人らは、ひそかに消防長室に入り、消防長のロッカー内の作業服ポケットに犬のふんを入れた。さらに、事務机の中央引き出しに、マーキュロクロム液で赤く染めた猫の死がいを入れておいた。
- 翌朝、執務のため消防長室に入った消防長は、犬のふんと猫の死がいを順に発見した。消防長は恐怖感や嫌悪感を抱いて畏怖した。
- その結果、当日朝に予定されていた部下職員からの報告の受理や各種決裁事務ができなくなった。
第一審は威力業務妨害罪の成立を認め、原審(大阪高裁)もこれを是認した。弁護人は、「威力ヲ用ヒ」と「業務」の解釈について判例違反などを主張して上告した。
争点
- 被害者の面前で直接行使されていない、物を介して被害者に発見させる行為が、刑法234条の「威力ヲ用ヒ」に当たるか
判旨
上告棄却。威力業務妨害罪(刑法234条)の成立を認めた原判断は正当であるとした。
規範:被害者が執務の際に目にすることが予想される場所に猫の死がいなどを入れておき、被害者に発見させ、畏怖させるに足りる状態においた一連の行為は、被害者の行為を利用する形態でその意思を制圧するような勢力を用いたものといえる。したがって、刑法234条の「威力ヲ用ヒ」た場合に当たる。
答案での書き方:「威力」とは人の意思を制圧するに足りる勢力をいう。被害者の行為(発見)を利用する形態で意思を制圧するような勢力を用いた場合も、これに当たる。面前で直接行使することは要しない。
判決文から
「被害者が執務に際して目にすることが予想される場所に猫の死がいなどを入れておき、被害者にこれを発見させ、畏怖させるに足りる状態においた一連の行為は」
威力該当性を基礎づける事実の捉え方
「被害者の行為を利用する形態でその意思を制圧するような勢力を用いたものということができる」
被害者の行為を介した威力を認めた核心部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
