だまされたふり作戦事件
欺罔後に、だまされたふり作戦の開始を知らずに共謀して荷物を受領した受け子に、詐欺未遂罪の共同正犯を認めた
出題:司法H28・司法R3・司法R5・司法R6・司法R7・予備H26・予備R5・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 平成29(あ)1079 詐欺未遂被告事件
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第71巻10号535頁
- 参照法条
- 刑法60条,刑法250条,刑法246条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
共犯者による欺罔行為後だまされたふり作戦開始を認識せずに共謀の上被害者から発送された荷物の受領行為に関与した者が詐欺未遂罪の共同正犯の責任を負うとされた事例
裁判要旨
共犯者による欺罔行為がされた後,だまされたふり作戦が開始されたことを認識せずに共犯者らと共謀の上,詐欺を完遂する上で欺罔行為と一体のものとして予定されていた被害者から発送された荷物の受領行為に関与したなどの本件事実関係(判文参照)の下では,だまされたふり作戦の開始いかんにかかわらず,被告人はその加功前の欺罔行為の点も含め詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を負う。
解説
事案
氏名不詳者Cは、平成27年3月16日頃、Aがロト6の特別抽選に選ばれたと誤信しているのに乗じ、電話で「違約金を払わないと今度の抽選にも参加できない」などとうそを言い、現金150万円の交付を要求した(本件欺罔行為)。その後Aはうそを見破り、警察官に相談してだまされたふり作戦を開始し、現金の入っていない箱を指定場所に発送した。
被告人は同月24日以降、作戦開始を認識しないまま、氏名不詳者から報酬約束の下で荷物の受領を依頼された。詐欺の被害金を受け取る役割である可能性を認識しつつ引き受け、同月25日、大阪市内の空き部屋で、受取人になりすまして空の荷物を受領した(本件受領行為)。
第1審は無罪とした。理由は、事前共謀はなく欺罔行為後に共謀したにとどまること、加担前の危険発生は被告人に帰責できないこと、加担後は作戦開始により実行行為があったといえないことである。原審は事実誤認として第1審を破棄し、懲役3年・執行猶予5年とした。被告人が上告した。
争点
- 共犯者の欺罔行為後に共謀して受領行為のみに関与した者が、加功前の欺罔行為を含めて詐欺罪の共同正犯の責任を負うか
- だまされたふり作戦の開始後に行われた受領行為への関与について、詐欺未遂罪の共同正犯が成立するか
判旨
上告棄却(詐欺未遂罪の共同正犯の成立を認めた原判決は正当)。
- 規範:共犯者による欺罔行為の後、だまされたふり作戦が開始されたことを認識せずに、共犯者らと共謀の上、詐欺を完遂する上で欺罔行為と一体のものとして予定されていた受領行為に関与した者は、作戦の開始いかんにかかわらず、加功前の欺罔行為の点も含めた詐欺につき、詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を負う。
- あてはめ:被告人は、作戦開始を認識せずに、報酬約束の下で受領役を引き受けた。その受領行為は、本件詐欺を完遂するうえで本件欺罔行為と一体のものとして予定されていた。したがって詐欺未遂罪の共同正犯が成立する。
判決文から
「だまされたことに気付いた,あるいはそれを疑った被害者側が,捜査機関と協力の上,引き続き犯人側の要求どおり行動しているふりをして,受領行為等の際に犯人を検挙しようとする捜査手法」
「だまされたふり作戦」の定義
「本件詐欺を完遂する上で本件欺罔行為と一体のものとして予定されていた本件受領行為に関与している。」
受領行為と欺罔行為の一体性が結論の鍵
「だまされたふり作戦の開始いかんにかかわらず,被告人は,その加功前の本件欺罔行為の点も含めた本件詐欺につき,詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を負うと解するのが相当である。」
結論部分。加功前の欺罔も含めて責任を負う
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
