最判平成27年12月14日
市街化調整区域内の開発許可は、工事完了・検査済証交付後も取消しを求める訴えの利益が失われないとした判例
出題:予備R2・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成27(行ヒ)301 開発許可処分取消請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第69巻8号2404頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項,都市計画法(平成26年法律第42号による改正前のもの)29条1項,都市計画法42条1項,都市計画法43条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
市街化調整区域内における開発行為に関する工事が完了し検査済証が交付された後における開発許可の取消しを求める訴えの利益
裁判要旨
市街化調整区域内にある土地を開発区域として都市計画法(平成26年法律第42号による改正前のもの)29条1項による開発許可を受けた開発行為に関する工事が完了し,当該工事の検査済証が交付された後においても,当該開発許可の取消しを求める訴えの利益は失われない。
解説
事案
鎌倉市長は、訴外人の申請に基づき、鎌倉市鎌倉山所在の合計3374.50㎡の土地を開発区域とし、予定建築物等の用途を専用住宅とする都市計画法29条1項の開発許可(本件許可)を、平成24年12月28日付けでした。本件開発区域は、昭和45年6月に市街化調整区域に定められた区域内にある。
開発区域の周辺に居住する被上告人らは、上告人を相手に本件許可の取消しを求めて出訴した。本件許可に係る開発行為に関する工事は完了し、鎌倉市長は平成25年12月26日付けで訴外人に検査済証を交付した。
第1審は、工事完了・検査済証交付により訴えの利益が失われたとして訴えを却下した。原審は、訴えの利益は失われないとして第1審判決を取り消し、事件を第1審に差し戻した。上告人は、最判平成5年9月10日などを引用して上告受理を申し立てた。
争点
- 市街化調整区域内の土地を開発区域とする開発許可について、工事が完了し検査済証が交付された後も、その取消しを求める訴えの利益(行政事件訴訟法9条1項)が残るか
- 市街化区域内の開発許可に関する先例(最判平成5年9月10日等)の射程が、市街化調整区域の開発許可に及ぶか
判旨
上告棄却。訴えの利益は失われない。
規範
- 開発許可は、申請に係る開発行為が都市計画法33条・34条の要件に適合するかを公権的に判断する行為である。これを受けなければ適法に開発行為を行えないという法的効果を持つ。
- この法的効果は、工事が完了し検査済証が交付されたときに消滅する。
- しかし、市街化調整区域では、開発許可がされ、その効力を前提とする検査済証の交付と工事完了公告がされることで、予定建築物等の建築等が可能となるという法的効果が生じる(同法42条1項・43条1項)。
- 開発許可の取消しを求める者は、許可の取消しによってこの法的効果を排除できる。
- したがって、市街化調整区域内の開発許可については、工事完了・検査済証交付後も、その取消しを求める訴えの利益は失われない。
判決文から
「当該開発許可の有する上記の法的効果は消滅するものというべきである」
工事を適法化する効果の消滅自体は先例どおり認めている
「市街化調整区域においては,開発許可がされ,その効力を前提とする検査済証が交付されて工事完了公告がされることにより,予定建築物等の建築等が可能となるという法的効果が生ずるものということができる。」
工事完了後も残る法的効果を特定した核心部分
「市街化調整区域内にある土地を開発区域とする開発許可に関する工事が完了し,当該工事の検査済証が交付された後においても,当該開発許可の取消しを求める訴えの利益は失われないと解するのが相当である。」
結論となる規範
「市街化区域においては,開発許可を取り消しても,用途地域等における建築物の制限(都市計画法10条,建築基準法第3章第3節)等に従う限り,自由に建築物の建築等を行うことが可能であり」
市街化区域の先例と区別した理由
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
