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最決平成26年3月28日

暴力団関係者を同伴しないと誓約した会員が、暴力団員の同伴者を申告せずにゴルフ場利用を申し込む行為を、2項詐欺の欺罔行為と認めた。

刑法詐欺・恐喝罪本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法R7・予備R7

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成25(あ)725 詐欺被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第68巻3号646頁
参照法条
刑法246条2項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

入会の際に暴力団関係者を同伴しない旨誓約したゴルフ倶楽部会員において,同伴者が暴力団関係者であることを申告せずに同人に関するゴルフ場の施設利用を申し込み,施設を利用させた行為が,刑法246条2項の詐欺罪に当たるとされた事例

裁判要旨

ゴルフ倶楽部会員において,同伴者が暴力団関係者であることを申告せずにそのゴルフ場の施設利用を申し込み,同人に施設を利用させた行為は,入会の際に暴力団関係者を同伴しない旨誓約していたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,刑法246条2項の詐欺罪に当たる。 (意見がある。)

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

長野県内の本件ゴルフ倶楽部は、利用約款で暴力団員の入場・施設利用を禁止していた。入会時には暴力団との交友関係を問うアンケートへの回答を求め、「暴力団関係者等を同伴・紹介」しない旨の誓約書に署名押印させていた。さらに、県防犯協議会の暴力団排除情報をデータベース化し、予約時・受付時に照合していた。

会員Aは、入会時にアンケートに「ない」と回答し、誓約書を提出していた。暴力団員である被告人は、施設利用を拒絶されうると認識しながら、Aの同伴者として来場した。Aは被告人が暴力団員であることを申告しなかった。また、同伴者の氏名を「組合せ表」に乱雑に書き込み、従業員に署名簿への代署を依頼するという異例の方法をとり、被告人がフロントで自署せずに済むようにした。被告人はフロントに寄らずにプレーを開始した。

Aが従業員から改めて確認されたことはなく、虚偽の申出をしたこともなかった。料金は翌日Aが精算した。被告人が暴力団員と分かれば、倶楽部は利用に応じなかった。

争点

  • 明示の虚偽申告がない施設利用申込みが、詐欺罪の「人を欺く行為」に当たるか(挙動による欺罔)
  • 利用客が暴力団関係者か否かは、施設利用の許否判断の基礎となる重要な事項か
  • 会員と意を通じて施設を利用した暴力団員に、刑法246条2項の詐欺罪(共謀共同正犯)が成立するか

判旨

上告棄却。詐欺罪(刑法246条2項)の共謀共同正犯の成立を肯定した。

規範:人を欺く行為といえるには、交付(処分)の判断の基礎となる重要な事項を偽ることを要する。明示の虚偽申告がなくても、申込み行為自体が一定の事実を表示しているといえ、その事実が重要事項に当たり、真実に反するなら、欺く行為に当たる。

あてはめ

  • 暴力団関係者を同伴・紹介しない旨誓約した会員が同伴者の施設利用を申し込むこと自体が、同伴者が暴力団関係者でないことを保証する意思を表している。
  • 利用客が暴力団関係者かどうかは、従業員が施設利用の許否を判断する基礎となる重要な事項である。
  • よって、同伴者が暴力団関係者であるのに申告せず利用を申し込む行為は、人を欺く行為に当たる。これにより利用契約を成立させ、Aと意を通じた被告人が施設を利用した行為は、2項詐欺を構成する。

判決文から

「入会の際に暴力団関係者の同伴,紹介をしない旨誓約していた本件ゴルフ倶楽部の会員であるAが同伴者の施設利用を申し込むこと自体,その同伴者が暴力団関係者でないことを保証する旨の意思を表している」

申込み行為自体に黙示の表示を読み込んだ核心部分

「利用客が暴力団関係者かどうかは,本件ゴルフ倶楽部の従業員において施設利用の許否の判断の基礎となる重要な事項であるから」

「重要な事項」該当性の判断

「同伴者が暴力団関係者であるのにこれを申告せずに施設利用を申し込む行為は,その同伴者が暴力団関係者でないことを従業員に誤信させようとするものであり,詐欺罪にいう人を欺く行為にほかならず」

不申告の申込みを欺罔行為と結論づけた部分

「ゴルフ倶楽部の経営上の観点からとられている措置である」

暴排措置が経営上の重要性をもつことの根拠

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。