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最判平成26年2月27日

権利能力のない社団は、総有不動産について代表者個人名義への移転登記手続を求める訴訟の原告適格を有するとした判例

民事訴訟法当事者・当事者能力複数請求訴訟・共同訴訟本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:予備H30・予備R4・予備R8

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
平成23(受)2196 所有権移転登記手続等請求事件
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第68巻2号192頁
参照法条
民法33条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法29条,不動産登記法63条1項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

権利能力のない社団の構成員全員に総有的に帰属する不動産につき所有権の登記名義人に対し当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟と当該社団の原告適格

裁判要旨

権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

権利能力のない社団X(被上告人)の構成員全員に総有的に帰属する土地があり、その共有持分の登記名義人の1人について、相続により権利義務を承継したY(上告人)がいた。Xは、Yに対し、委任の終了を原因として、Xの代表者Aへの持分移転登記手続を求めて提訴した。
原審は請求を認容し、主文で「上告人は、被上告人代表者Aに対し、上記土地について、委任の終了を原因とする持分移転登記手続をせよ」と命じた。
Yは上告受理申立てで次の2点を主張した。

  • 総有不動産については代表者自身が自己の個人名義への移転登記を求めて提訴すべきで、社団自身が代表者個人名義への登記を求める訴訟は提起できない。
  • 代表者の肩書を付した代表者個人名義の登記は許されないから、「被上告人代表者A」名義への登記を命じた原判決は違法である。

争点

  • 権利能力のない社団は、総有不動産について、登記名義人に対し代表者個人名義への所有権移転登記手続を求める訴訟の原告適格を有するか
  • その判決の効力の及ぶ範囲と、判決確定後に代表者が登記申請をする際の執行文付与の要否
  • 「被上告人代表者A」への移転登記を命じた主文の適否

判旨

上告棄却(原審の請求認容を是認)。

  • 規範:当事者適格は、特定の訴訟物について、誰が当事者として訴訟を追行し、誰に対して本案判決をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられる。
  • 結論:権利能力のない社団は、構成員全員に総有的に帰属する不動産について、その所有権の登記名義人に対し、当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有する。
  • その判決の効力は構成員全員に及ぶ。判決確定後、代表者はこの判決により自己の個人名義への所有権移転登記を申請でき、その際に執行文の付与を受ける必要はない。
  • 肩書付きの代表者個人名義の登記は許されない。そのため、主文の「被上告人代表者A」への登記は、Aの個人名義への登記を命ずる趣旨と解され、違法ではない。

判決文から

「訴訟における当事者適格は,特定の訴訟物について,誰が当事者として訴訟を追行し,また,誰に対して本案判決をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられるべき事柄である。」

当事者適格の一般的判断基準。答案の規範になる

「権利能力のない社団は,構成員全員に総有的に帰属する不動産について,その所有権の登記名義人に対し,当該社団の代表者の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求める訴訟の原告適格を有すると解するのが相当である。」

本判決の結論部分

「その訴訟の判決の効力は,構成員全員に及ぶものと解されるから,当該判決の確定後,上記代表者が,当該判決により自己の個人名義への所有権移転登記の申請をすることができることは明らかである。」

判決効が構成員全員に及び、代表者が登記申請できる

「なお,この申請に当たって上記代表者が執行文の付与を受ける必要はないというべきである。」

執行文不要という細かい知識点

「権利能力のない社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは許されない」

昭和47年判決を引用。肩書付登記は不可

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。