参議院議員定数不均衡訴訟
平成25年参院選(最大較差4.77倍)は4増4減後も違憲状態だが、是正しなかったことは国会の裁量権の限界を超えず合憲とした
出題:司法H27・司法H30・司法R2・予備H30・予備R2
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 平成26(行ツ)78 選挙無効請求事件
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 集民 第248号69頁
- 参照法条
- 憲法14条1項,憲法15条1項,憲法15条3項,憲法43条1項,憲法44条,公職選挙法14条,公職選挙法別表第3
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の合憲性
裁判要旨
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙当時において,公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の下で,選挙区間における投票価値の不均衡は平成24年法律第94号による改正後も違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったが,上記選挙までの間に更に上記規定の改正がされなかったことをもって国会の裁量権の限界を超えるものとはいえず,上記規定が憲法14条1項等に違反するに至っていたということはできない。 (補足意見及び反対意見がある。)
解説
事案
平成25年7月21日施行の参議院議員通常選挙について、岡山県選挙区の選挙人らが選挙無効訴訟を提起した。選挙人らは、公職選挙法14条・別表第3の選挙区選出議員の定数配分規定が憲法に違反し無効であるから、同選挙区の選挙も無効であると主張した。
- 参議院の選挙区は都道府県単位で、半数改選のため定数は偶数で配分されてきた。最大較差は制度発足時の2.62倍から拡大し、平成4年選挙では6.59倍に達した。平成6年以降の数次の改正の後も、5倍前後で推移した。
- 最大判平成24年10月17日は、平成22年選挙(最大較差5.00倍)を違憲状態と判示し、都道府県単位の仕組み自体を見直すよう求めた。
- その翌月、4増4減を内容とする平成24年改正法が成立した。附則には、平成28年選挙に向けて抜本的見直しを検討し結論を得る旨が定められた。
- 本件選挙当時の最大較差は4.77倍であった。
原審(広島高裁岡山支部)の各判決に対し上告がされ、最高裁はこれを破棄して自判した。
争点
- 平成24年改正(4増4減)後の定数配分規定の下での投票価値の不均衡が、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあるか
- 本件選挙までに違憲状態を是正しなかったことが国会の裁量権の限界を超え、定数配分規定が憲法14条1項等に違反するに至っていたか
- 裁量権の限界を判断する際の起算点(国会が違憲状態を認識し得た時点)と考慮要素
判旨
結論:違憲状態ではあるが、定数配分規定は違憲ではない。原判決を破棄し、請求を棄却した。
規範(二段階審査)
- 憲法は投票価値の平等を要求する。ただし、選挙制度の決定は国会の裁量に委ねられており、投票価値の平等は他の政策的目的と調和的に実現されるべきものである。
- ①選挙区間の不均衡が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っているか、②至っている場合に、当該選挙までに是正しなかったことが国会の裁量権の限界を超えるか、の二段階で判断する。
- ②では、期間の長短だけでなく、採るべき措置の内容、検討を要する事項、必要な手続・作業等の諸般の事情を総合考慮する。そのうえで、国会の取組が司法判断の趣旨を踏まえた裁量権行使として相当であったかを評価する。
当てはめ
- ①:4増4減は都道府県単位の仕組みを維持したまま一部の定数を増減したにとどまり、較差は5倍前後の水準が続いていた。よって違憲状態は解消されていない。
- ②:国会が違憲状態を認識し得たのは平成24年判決の言渡し時(平成24年10月17日)である。そこから本件選挙までは約9か月にすぎず、その間に附則の定めや検討の工程表が示されていた。したがって裁量権の限界を超えるとはいえない。
判決文から
「参議院議員の選挙であること自体から,直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い。」
参議院でも投票価値の平等は後退しないとした核心
「これを参議院議員の各選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく」
都道府県単位の選挙区は憲法上の要請でない
「違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っている旨の司法の判断がされれば国会はこれを受けて是正を行う責務を負うものである」
違憲状態判断後の国会の是正責務
「国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた裁量権の行使の在り方として相当なものであったといえるか否かという観点に立って評価すべきもの」
第二段階(裁量権の限界)の判断基準
「国会において上記の状態に至っていると認識し得たのはこの時点からであったというべきである。」
起算点を平成24年判決言渡し時とした点
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
