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一般廃棄物処理業許可取消訴訟(既存許可業者の原告適格)

最判平成26年1月28日

一般廃棄物処理業の既存許可業者に、同じ区域で他者に出された許可(更新)処分の取消訴訟の原告適格を認めた判例

行政法取消訴訟の訴訟要件行政裁量本試験で 3 問(短答 2・論文 1)

出題:予備H30・予備R2・予備R5

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
平成23(行ヒ)332 一般廃棄物処理業許可取消等,損害賠償請求事件
裁判
判決・その他
判例集
民集 第68巻1号49頁
参照法条
行政事件訴訟法9条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律4条1項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律6条,廃棄物の処理及び清掃に関する法律6条の2第1項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条1項ないし13項,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則2条の2,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則2条の4

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分の取消訴訟と当該処分の対象とされた区域につき既にその許可又は許可の更新を受けている者の原告適格

裁判要旨

市町村長から一定の区域につき既に一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可又はその更新を受けている者は,当該区域を対象として他の者に対してされた一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分について,その取消訴訟の原告適格を有する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人は、昭和56年に小浜市長から廃棄物処理法7条1項に基づき、小浜市全域での一般廃棄物(ごみ・し尿・浄化槽汚泥)の収集運搬業の許可を受け、その後も更新を受けてきた。

小浜市長は、次の各処分をした。

  • B社に対し、平成13年10月1日付けで小浜市全域でのごみ等の収集運搬業の許可を与え、その後更新を繰り返した。そのうえで平成21年3月31日付けで、同年4月1日から平成23年3月31日までの期間について許可を更新する処分をした(本件更新処分1)。
  • 被上告補助参加人に対し、平成16年4月1日付けで、同じく小浜市全域でのごみの収集運搬業の許可と処分業の許可を与え、その後それぞれ更新を繰り返した。そのうえで平成22年3月30日付けで、同年4月1日から平成24年3月31日までの期間について各許可を更新する処分をした(本件更新処分2)。

上告人は、これらの各更新処分が違法であるとして、その取消しと国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた。

原審の判断は次のとおりである。

  • 廃棄物処理法7条の目的は、一般廃棄物処理の継続的・安定的な実施と生活環境の保全にあり、許可業者の営業上の利益を個別的利益として保護する趣旨を含まない。
  • そのため、取消しの訴えは原告適格を欠き却下とした。
  • 市は上告人の営業上の利益を保護すべき義務を負わないとして、国賠請求も棄却した。

争点

  • 既存の一般廃棄物処理業の許可業者は、同じ区域を対象に他者へされた許可(更新)処分の取消訴訟について、行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」に当たるか
  • 収集運搬業の許可しか持たない者が、他者への処分業の許可更新処分を争えるか
  • 許可業者の営業上の利益について、市町村が国家賠償法上の配慮義務を負う余地があるか

判旨

規範(原告適格)

  • 小田急高架訴訟大法廷判決(最大判平成17年12月7日)の枠組みによる。行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」とは、処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。
  • 処分の根拠法規が、不特定多数者の具体的利益を一般的公益に吸収解消させるにとどめず、個々人の個別的利益としても保護する趣旨を含むなら、その利益も法律上保護された利益に当たる。
  • 処分の相手方以外の者については、9条2項の考慮事項に従って判断する。

結論

  • 一定の区域について既に一般廃棄物処理業の許可又は更新を受けている者は、同じ区域を対象に他者へされた一般廃棄物処理業の許可処分又は許可更新処分について、取消訴訟の原告適格を有する。
  • 収集運搬業と処分業は別個の許可で、需給調整も別々に図られる。そのため、上告人は収集運搬業の許可更新処分についてのみ原告適格を有し、処分業の許可更新処分については原告適格を有しない。

本件の帰結

  • 上告人は上告審係属中に廃業したため、訴えの利益が消滅した。取消しの訴えを却下した原審は、結論において是認された。
  • 市が上告人の営業上の利益に配慮する義務を「およそ負っていないとはいえない」。国賠請求を棄却した部分は審理不尽として破棄差戻しとなった。

判決文から

「廃棄物処理法において,一般廃棄物処理業は,専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは位置付けられていないものといえる。」

事業の性格づけが原告適格肯定の基礎となる

「このような事柄の性質上,市町村長に一定の裁量が与えられていると解される」

許可判断に市町村長の裁量を認めた部分

「当該区域における需給の均衡及びその変動による既存の許可業者の事業への影響を適切に考慮することが求められるものというべきである。」

既存業者への影響が考慮事項であることを明示

「その事業に係る営業上の利益を個々の既存の許可業者の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。」

個別的利益性を肯定した核心部分

「上告人は,一般廃棄物処分業の許可又はその更新を受けていないから,本件更新処分2のうち一般廃棄物処分業の許可更新処分については,その取消しを求める原告適格を有しない。」

原告適格は業種ごとに判断される

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。