共有持分差押処分取消請求事件
共有不動産の滞納者持分の差押処分について、名宛人でない他の共有者にも取消訴訟の原告適格を認めた判例
出題:司法R5・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成24(行ヒ)156 差押処分取消,国家賠償等請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 集民 第244号43頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条1項,国税徴収法47条1項,国税徴収法69条1項ただし書,国税徴収法69条2項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
滞納者と他の者との共有に係る不動産の滞納者の持分に対する差押処分の取消訴訟と他の共有者の原告適格
裁判要旨
滞納者と他の者との共有に係る不動産につき滞納者の持分が国税徴収法47条1項に基づいて差し押さえられた場合における他の共有者は,その差押処分の取消訴訟の原告適格を有する。
解説
事案
Cは土地を単独で所有し、建物を妻Aと持分各2分の1で共有していた。Cの死亡(平成16年)により、Aが土地の持分2分の1・建物の持分4分の1を相続し、子である上告人とBが土地の持分各4分の1・建物の持分各8分の1をそれぞれ相続した。
Bは、この相続に係る相続税を納期限(平成20年7月4日)の経過後も滞納した。そこで玉名税務署長は、平成22年6月29日、国税徴収法47条1項に基づき、本件各不動産のBの持分を差し押さえ、その旨の登記がされた。
他の共有者であるAと上告人のうち、上告人が選定当事者として、本件差押処分の取消し等を求めて提訴した。原審は、差押えはBの持分に対するもので本件選定者らの持分に対するものではないとして原告適格を否定し、訴えを却下した。ただし原審は、仮定的に本案も判断し、差押処分に違法はないとしていた。
争点
- 滞納者と他の者との共有に係る不動産について、滞納者の持分に対する国税徴収法47条1項の差押処分がされた場合、名宛人でない他の共有者は、その取消訴訟の原告適格(行政事件訴訟法9条1項)を有するか
判旨
結論:他の共有者は、差押処分の取消訴訟の原告適格を有する。ただし本件では、原審が仮定的に行った本案判断(違法なし)が是認でき、請求は棄却されるべきものであった。不利益変更禁止の原則(行政事件訴訟法7条、民訴法313条・304条)により、上告棄却にとどめられた。
規範
- 行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され、または必然的に侵害されるおそれのある者をいう。
- 処分の名宛人以外の者が、処分の法的効果による権利の制限を受ける場合には、その者は名宛人と同様に「法律上の利益を有する者」に当たり、原告適格を有する。
あてはめ:滞納者持分の差押えにより、他の共有者も、用益権設定等の処分の制約(国税徴収法47条1項)と、使用収益の制限(同法69条1項ただし書・2項)という法的効果による権利の制限を受ける。したがって原告適格がある。
判決文から
「当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」
原告適格の一般的定式(主婦連・もんじゅを引用)
「処分の名宛人以外の者が処分の法的効果による権利の制限を受ける場合には,その者は,処分の名宛人として権利の制限を受ける者と同様に,」
名宛人以外でも法的効果で権利制限→原告適格あり
「滞納者の持分と使用収益上の不可分一体をなす持分を有する他の共有者についても当該不動産に係る用益権設定等の処分が制約を受け,その処分の権利が制限されることとなる。」
共有者への権利制限の具体的内容
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
