医薬品ネット販売事件(医薬品ネット販売訴訟)
第一類・第二類医薬品の郵便等販売を一律に禁止した薬事法施行規則を、法律の委任の範囲を逸脱し違法・無効とした判例
出題:司法H26・司法H27・司法R6・予備H28・予備H29・予備R5
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成24(行ヒ)279 医薬品ネット販売の権利確認等請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第67巻1号1頁
- 参照法条
- 薬事法36条の5,薬事法36条の6,行政手続法38条1項,薬事法施行規則15条の4第1項1号,薬事法施行規則142条,薬事法施行規則159条の14第1項,薬事法施行規則159条の14第2項本文,薬事法施行規則159条の15第1項1号,薬事法施行規則159条の16第1号,薬事法施行規則159条の17第1号,薬事法施行規則159条の17第2号
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
薬事法施行規則15条の4第1項1号(同規則142条において準用する場合),159条の14第1項及び2項本文,159条の15第1項1号並びに159条の17第1号及び2号の各規定の法適合性
裁判要旨
薬事法施行規則15条の4第1項1号(同規則142条において準用する場合),159条の14第1項及び2項本文,159条の15第1項1号並びに159条の17第1号及び2号の各規定は,一般用医薬品のうち第一類医薬品及び第二類医薬品につき,店舗販売業者による店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による販売又は授与を一律に禁止することとなる限度において,薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効である。
解説
事案
平成18年改正薬事法(新薬事法)の施行に伴い、平成21年の厚生労働省令で薬事法施行規則(新施行規則)が改正された。新施行規則は、郵便等販売(店舗以外の場所にいる者への郵便その他の方法による販売・授与)を第三類医薬品に限って認めた(142条・15条の4第1項1号)。また、第一類・第二類医薬品の販売・授与と情報提供は、店舗で薬剤師等が対面で行うよう義務づけた(159条の14第1項・2項本文、159条の15第1項1号、159条の17第1号・2号)。
インターネットを通じた郵便等販売を行ってきた事業者Xらは、これらの規定は新薬事法の委任の範囲外の規制を定める違法・無効なものだと主張した。そして、新施行規則の規定にかかわらず郵便等販売をすることができる権利ないし地位を有することの確認等を求めた。
旧薬事法には郵便等販売を禁止する規定がなく、第一類・第二類に相当する医薬品も多数ネット販売されていた。原審は確認請求を認容し、上告人が上告受理申立てをした。
争点
- 第一類・第二類医薬品の郵便等販売を一律に禁止する省令の規定が、新薬事法の委任の範囲内か(行政手続法38条1項の法適合性)
- 委任の範囲を逸脱していないといえるために、どの程度の授権の明確性が必要か
判旨
上告棄却。
規範:省令の規定が根拠法の趣旨に適合し(行政手続法38条1項)、委任の範囲を逸脱していないといえるには、次のことが必要である。
- 立法過程における議論もしんしゃくする。
- そのうえで法律中の諸規定を見て、規制内容の省令の制定を委任する授権の趣旨が、規制の範囲や程度等に応じて明確に読み取れること。
あてはめ:
- 新薬事法36条の5・36条の6は、文理上、郵便等販売の規制も対面での販売・情報提供の義務づけも定めていない。
- 37条1項は旧法当時から実質的に改正されていない。
- 他の規定にも郵便等販売を規制すべき趣旨を明確に示すものはない。
- 国会が第一類・第二類の郵便等販売を禁止する意思を有していたともいい難い。
結論:新施行規則の各規定は、第一類・第二類医薬品の郵便等販売を一律に禁止することとなる限度において、新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効である。郵便等販売をすることができる地位の確認請求を認容した原審は、結論において是認できる。
判決文から
「旧薬事法の下では違法とされていなかった郵便等販売に対する新たな規制は,郵便等販売をその事業の柱としてきた者の職業活動の自由を相当程度制約するものであることが明らかである。」
権利制約の重さを委任審査の厳しさに結びつける前提
「郵便等販売を規制する内容の省令の制定を委任する授権の趣旨が,上記規制の範囲や程度等に応じて明確に読み取れることを要するものというべきである。」
委任の範囲の判断基準(規範部分)
「そもそも国会が新薬事法を可決するに際して第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を禁止すべきであるとの意思を有していたとはいい難い。」
立法過程をしんしゃくしたあてはめの核心
「いずれも上記各医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止することとなる限度において,新薬事法の趣旨に適合するものではなく,新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効というべきである。」
一部無効(限度での無効)という結論
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
