最決平成24年7月24日
監禁によりPTSDを発症させた場合、精神的機能の障害も「傷害」にあたり、監禁致傷罪が成立するとした決定
出題:司法R1・司法R4
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成22(あ)2011 監禁致傷,傷害被告事件
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第66巻8号709頁
- 参照法条
- 刑法221条,刑法204条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
不法に被害者を監禁し,その結果,被害者に外傷後ストレス障害(PTSD)を発症させた場合について,監禁致傷罪の成立が認められた事例
裁判要旨
不法に被害者を監禁し,その結果,被害者が,医学的な診断基準において求められている特徴的な精神症状が継続して発現していることなどから外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したと認められる場合,同障害の惹起は刑法にいう傷害に当たり,監禁致傷罪が成立する。
解説
事案
被告人は、各被害者を不法に監禁した。各被害者は、監禁行為や、その手段として加えられた暴行・脅迫によって、一時的な精神的苦痛やストレスを感じたという程度を超える状態に陥った。具体的には、再体験症状、回避・精神麻痺症状、過覚醒症状という、医学的な診断基準が求める特徴的な精神症状が継続して現れていることなどから、精神疾患の一種である外傷後ストレス障害(PTSD)の発症が認められた。
第1審は、各被害者にPTSDの傷害を負わせたとして監禁致傷罪(刑法221条)の成立を認め、原審(東京高裁)もこれを是認した。弁護人は上告し、PTSDのような精神的障害は刑法上の傷害の概念に含まれないと主張した。最高裁は、上告趣意は刑訴法405条の上告理由にあたらないとしたうえで、所論にかんがみ職権で判断した。
争点
- PTSDのような精神的機能の障害が、刑法にいう「傷害」(刑法204条・221条)に含まれるか
- 不法監禁の結果として被害者がPTSDを発症した場合に、監禁致傷罪が成立するか
判旨
上告棄却。
規範:精神的機能の障害を引き起こした場合も、刑法にいう「傷害」にあたる。
あてはめ:本件では、各被害者が一時的な精神的苦痛やストレスにとどまらず、医学的な診断基準が求める特徴的な精神症状(再体験症状、回避・精神麻痺症状、過覚醒症状)を継続して示しており、精神疾患の一種であるPTSDの発症が認められる。このような精神的機能の障害の惹起は傷害にあたるから、監禁致傷罪の成立を認めた原判断は正当である。
答案では「刑法上の傷害には、身体的機能だけでなく精神的機能の障害の惹起も含まれる(最決平成24年7月24日)。PTSDのように、医学的な診断基準が求める特徴的な精神症状が継続して現れ、精神疾患の発症が認められる場合は傷害にあたる」と書けばよい。
判決文から
「上記認定のような精神的機能の障害を惹起した場合も刑法にいう傷害に当たると解するのが相当である。」
精神的機能の障害も傷害に含むとした規範部分
「一時的な精神的苦痛やストレスを感じたという程度にとどまらず,いわゆる再体験症状,回避・精神麻痺症状及び過覚醒症状といった医学的な診断基準において求められている特徴的な精神症状が継続して発現している」
一時的苦痛との区別と、医学的診断基準による認定
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
