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睡眠薬使用事件

最決平成24年1月30日

睡眠薬等で数時間の意識障害・筋弛緩を伴う急性薬物中毒症状を生じさせた行為に、傷害罪の成立を認めた

刑法生命・身体に対する罪公務執行妨害・職務に関する罪本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法R1・司法R5・予備R5

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
平成22(あ)340 傷害被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第66巻1号36頁
参照法条
刑法204条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

睡眠薬等を摂取させて数時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為につき傷害罪の成立が認められた事例

裁判要旨

病院で勤務中ないし研究中であった者に対し,睡眠薬等を摂取させたことによって,約6時間又は約2時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為は,傷害罪を構成する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は、大学病院内で、フルニトラゼパムを含む睡眠薬の粉末を混ぜた洋菓子を、休日当直医として勤務中の被害者に渡した。事情を知らない被害者はこれを食べ、約6時間にわたり意識障害と筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状に陥った。さらに6日後、被告人は同病院の研究室で、医学研究中の被害者が机上に置いていた飲みかけの缶入り飲料に、同様の睡眠薬の粉末と麻酔薬を混ぜた。事情を知らない被害者はこれを飲み、約2時間にわたり同様の症状に陥った。第1審は傷害罪の成立を認め、原審(大阪高裁)もこれを維持した。弁護人は上告し、次のように主張した。昏酔強盗(刑法239条)や当時の準強姦(刑法178条2項)が予定する程度の昏酔を生じさせただけでは、強盗致傷罪・強姦致傷罪は成立しないと解すべきである。そうであれば、その程度の昏酔は刑法204条の「傷害」にも当たらない。

争点

  • 睡眠薬等の摂取による一時的な意識障害・筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒症状が、刑法204条の「傷害」に当たるか
  • 昏酔強盗罪等が予定する程度の昏酔は致傷罪の「傷害」に当たらないとする解釈が、傷害罪の成否に影響するか

判旨

上告棄却(職権判断で傷害罪の成立を肯定)。

  • 結論:勤務中・研究中の被害者に睡眠薬等を摂取させ、約6時間または約2時間にわたり意識障害と筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた行為は、いずれも傷害罪(刑法204条)を構成する。
  • 規範:被害者の健康状態を不良に変更し、その生活機能の障害を惹起したといえれば、「傷害」に当たる。いわゆる生理的機能障害説に沿う判断である。
  • 昏酔強盗罪等と強盗致傷罪等との関係をどう解釈するかは、傷害罪の成否が問題となる本件の結論に影響しない。その理由で傷害罪の成立が否定されることはない。

判決文から

「被害者の健康状態を不良に変更し,その生活機能の障害を惹起したものであるから,いずれの事件についても傷害罪が成立すると解するのが相当である。」

傷害の定義(生理的機能障害)を示し当てはめた核心部分

「所論指摘の昏酔強盗罪等と強盗致傷罪等との関係についての解釈が傷害罪の成否が問題となっている本件の帰すうに影響を及ぼすものではなく」

昏酔強盗等の致傷罪の解釈と傷害罪の成否を切り離した部分

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。