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裁判員制度合憲判決

最大判平成23年11月16日

憲法は国民の司法参加を許容しているとし、裁判員制度は31条・32条・37条1項・76条・80条1項・18条後段に違反しないとした大法廷判決

憲法裁判員裁判裁判所・司法権天皇・平和主義本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H26・司法R2・司法R3

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
平成22(あ)1196 覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
裁判
判決・棄却
判例集
刑集 第65巻8号1285頁
参照法条
(1〜4につき) 憲法76条 (1,2につき) 憲法31条,憲法32条,憲法37条,憲法80条 (1につき) 憲法前文第1段,憲法33条,憲法34条,憲法35条,憲法36条,憲法38条,憲法39条,憲法78条,憲法79条,大日本帝国憲法24条,裁判所法3条3項 (2〜5につき) 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律1条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条2項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条3項,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律6条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律9条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律16条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律51条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律66条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律67条,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第16条第8号に規定するやむを得ない事由を定める政令 (5につき) 憲法18条後段

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

1 刑事裁判における国民の司法参加と憲法 2 裁判員制度と憲法31条,32条,37条1項,76条1項,80条1項 3 裁判員制度と憲法76条3項 4 裁判員制度と憲法76条2項 5 裁判員の職務等と憲法18条後段が禁ずる「苦役」

裁判要旨

1 憲法は,刑事裁判における国民の司法参加を許容しており,憲法の定める適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り,その内容を立法政策に委ねている。 2 裁判員制度は,憲法31条,32条,37条1項,76条1項,80条1項に違反しない。 3 裁判員制度は,憲法76条3項に違反しない。 4 裁判員制度は,憲法76条2項に違反しない。 5 裁判員の職務等は,憲法18条後段が禁ずる「苦役」に当たらない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は覚せい剤取締法違反・関税法違反の罪で起訴され、第1審で懲役刑の判決を受けた。控訴審(東京高裁)を経て上告し、弁護人は裁判員法が憲法に違反すると主張した。主張の概要は次の4点である。

  • ① 憲法には国民の司法参加を想定した規定がなく、80条1項は下級裁判所が裁判官のみで構成されることを定めている。したがって、裁判官以外の者が加わる裁判体は憲法上の「裁判所」ではなく、32条・37条1項・76条1項・31条に違反する。
  • ② 裁判官が裁判員の判断に影響・拘束されるので、76条3項(裁判官の職権行使の独立)に違反する。
  • ③ 裁判員が参加する裁判体は通常の裁判所の系列外にあり、76条2項が禁止する特別裁判所に当たる。
  • ④ 国民に憲法上の根拠のない負担を課すもので、18条後段の「苦役」に当たる。

争点

  • 憲法は刑事裁判への国民の司法参加を許容しているか
  • 裁判員制度は憲法31条・32条・37条1項・76条1項・80条1項に違反するか
  • 裁判員制度は裁判官の職権行使の独立(憲法76条3項)に反するか
  • 裁判員が参加する裁判体は特別裁判所(憲法76条2項)に当たるか
  • 裁判員の職務等は憲法18条後段の「苦役」に当たるか

判旨

上告棄却(裁判官全員一致)。

  • 国民の司法参加:憲法は一般的に国民の司法参加を許容している。採用する場合、適正な刑事裁判を実現するための諸原則が確保されている限り、陪審制か参審制かを含めて内容は立法政策に委ねられる。制度の合憲性は、具体的な制度がこれらの諸原則に抵触するか否かで決まる。
  • 31条・32条・37条1項・76条1項・80条1項:公平な「裁判所」で法と証拠に基づく適正な裁判が行われることは制度的に十分保障されている。裁判官は刑事裁判の基本的な担い手とされており、違反しない。
  • 76条3項:裁判官が評決制度の下で自らの意見と異なる結論に従うことがあっても、それは憲法に適合する法律に拘束される結果であり、違反しない。
  • 76条2項:裁判体は地方裁判所に属し、控訴・上告が認められているから、特別裁判所ではない。
  • 18条後段:裁判員の職務等は参政権と同様の権限を国民に付与するものである。辞退制度と経済的措置もあり、「苦役」に当たらない。

判決文から

「憲法は,一般的には国民の司法参加を許容しており,これを採用する場合には,上記の諸原則が確保されている限り,陪審制とするか参審制とするかを含め,その内容を立法政策に委ねていると解されるのである。」

判旨の中心規範。許容性と立法裁量の範囲

「国民の司法参加に係る制度の合憲性は,具体的に設けられた制度が,適正な刑事裁判を実現するための諸原則に抵触するか否かによって決せられるべきものである。」

合憲性の判断基準

「憲法は,刑事裁判の基本的な担い手として裁判官を想定していると考えられる。」

許容論の前提。裁判官中心の構造は維持される

「裁判官が時に自らの意見と異なる結論に従わざるを得ない場合があるとしても,それは憲法に適合する法律に拘束される結果であるから,同項違反との評価を受ける余地はない。」

76条3項違反を否定した論理

「裁判員の職務等は,司法権の行使に対する国民の参加という点で参政権と同様の権限を国民に付与するものであり,これを「苦役」ということは必ずしも適切ではない。」

18条後段「苦役」否定の核心。短答頻出

「裁判員制度による裁判体は,地方裁判所に属するものであり,その第1審判決に対しては,高等裁判所への控訴及び最高裁判所への上告が認められており,裁判官と裁判員によって構成された裁判体が特別裁判所に当たらないことは明らかである。」

特別裁判所該当性を否定した理由

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。