SaySayLaw

最判平成22年12月16日

転々移転後、現所有者が元の所有者に真正な登記名義の回復を原因として直接移転登記を求めることは許されない

民法不動産登記と対抗要件物権総論・物権変動本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H27・司法R5

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
平成21(受)1097 持分所有権移転登記手続,遺産確認,共有物分割請求本訴,持分所有権移転登記手続請求反訴事件
裁判
判決・その他
判例集
民集 第64巻8号2050頁
参照法条
民法177条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されるか

裁判要旨

不動産の所有権が,元の所有者から中間者に,次いで中間者から現在の所有者に,順次移転したにもかかわらず,登記名義がなお元の所有者の下に残っている場合において,現在の所有者が元の所有者に対し,元の所有者から現在の所有者に対する真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を請求することは許されない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

Yは本件土地を所有していたが、昭和63年9月頃、Aに贈与した(本件贈与)。Aは平成17年1月10日に死亡し、共同相続人の一人であるX1が遺産分割協議により本件土地を単独で取得した(本件相続)。しかし本件土地には、YとX1らの共有名義の登記があり、そのうち持分10分の3がY名義のまま残っていた。

YはX1らに対し、共有物分割などを求めて本訴を提起した。これに対しX1は、本件贈与と本件相続を請求原因として、Yに対し、真正な登記名義の回復を原因とするY持分全部移転登記手続を求める反訴を提起した。

原審(大阪高裁)は、本件土地はX1の単独所有であるとして本訴請求を棄却し、反訴請求を認容した。Yが上告受理を申し立てた。

争点

  • 所有権が元の所有者→中間者→現在の所有者と順次移転したのに登記名義が元の所有者に残っている場合、現在の所有者は元の所有者に対し、真正な登記名義の回復を原因として直接移転登記手続を請求できるか
  • 上記請求が許されない場合に、裁判所はどのような釈明・審理をすべきか

判旨

結論:原判決のうち反訴請求に関する部分を破棄し、大阪高裁に差し戻した。本訴部分の上告は、理由書の提出がないため却下した。

規範:不動産の所有権が元の所有者から中間者へ、次いで中間者から現在の所有者へ順次移転したのに、登記名義がなお元の所有者に残っている場合、現在の所有者が元の所有者に対し、真正な登記名義の回復を原因として直接の所有権移転登記手続を請求することは、物権変動の過程を忠実に登記記録に反映させようとする不動産登記法の原則に照らし、許されない。

あてはめ:X1は、まずY名義の持分についてY→Aの本件贈与を原因とする移転登記手続を請求し、その認容判決を得たうえで、A→X1の本件相続を原因とする持分移転登記手続をすべきである。もっとも、X1の反訴は、予備的に贈与を原因とするY→Aの移転登記を求める趣旨を含むと理解する余地がある。そのような請求であれば、特段の事情のない限り認容すべきものとされた。

判決文から

「物権変動の過程を忠実に登記記録に反映させようとする不動産登記法の原則に照らし,許されないものというべきである。」

否定の根拠は不動産登記法の原則である

「上告人名義で登記されている持分につき,上告人からAに対する本件贈与を原因とする移転登記手続を請求し,その認容判決を得た上で」

正しい登記手順(贈与→相続の順)を示した部分

「事実審において,適切に釈明権を行使するなどして,これが上記の趣旨の請求を含むものであるのか否かにつき明らかにした上」

請求を棄却せず、釈明のため差し戻した理由

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。