警察署塀事件
警察署の塀は「建造物」の一部であり、塀の上部に上がる行為は建造物侵入罪を構成するとした決定
出題:司法H24・司法H29・司法H30・司法R3・予備H30
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成20(あ)835 建造物侵入,危険運転致傷,窃盗被告事件
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第63巻6号590頁
- 参照法条
- 刑法130条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
警察署の塀の上部に上がった行為について建造物侵入罪の成立が認められた事例
裁判要旨
警察署庁舎建物及び中庭への外部からの交通を制限し,みだりに立入りすることを禁止するために設置された高さ約2.4mの本件塀は,建造物侵入罪の客体に当たり,中庭に駐車された捜査車両を確認する目的で本件塀の上部に上がった行為は,建造物侵入罪を構成する。
解説
事案
被告人は、交通違反等の取締りに当たる捜査車両の車種やナンバーを把握するため、大阪府八尾警察署の東側塀(本件塀)によじ上った。塀の上部に立って中庭を見ていたところ、警察官に現認され、現行犯逮捕された。
同署の敷地では、南西側にL字型の庁舎建物があり、東側と北側に塀が設置されている。これらの塀と庁舎建物に囲まれた中庭は、関係車両の出入りなどに使われ、車庫等がある。出入口は複数あるが、南側の正面出入口以外は施錠などで外部からの立入りが制限されている。正面出入口からの入庁者についても、職員が受付業務を行い、動静を注視する態勢が執られている。庁舎から中庭への出入りを制限する掲示もある。
本件塀は高さ約2.4m、幅約22cmのコンクリート製である。庁舎建物と中庭への外部からの交通を制限し、みだりに立ち入ることを禁止するために設置されており、外側から内部をのぞき見ることもできない構造であった。
争点
- 建物の敷地を囲む塀それ自体が、刑法130条にいう「建造物」(の一部)として建造物侵入罪の客体に当たるか
- 敷地内に降り立たず、塀の上部に上がっただけの行為が建造物侵入罪を構成するか
判旨
上告棄却。職権で次のとおり判断した。
- 規範:塀が、建物とその敷地を他から明確に画するとともに、外部からの干渉を排除する作用を果たしており、建物の利用のために供されている工作物であれば、刑法130条にいう「建造物」の一部を構成し、建造物侵入罪の客体に当たる。
- あてはめ:本件塀は、庁舎建物と中庭への外部からの交通を制限し、みだりな立入りを禁止するために設置された高さ約2.4mの塀である。よって建造物侵入罪の客体に当たる。
- 結論:外部から見ることのできない敷地に駐車された捜査車両を確認する目的で、本件塀の上部へ上がった行為について、建造物侵入罪の成立を認めた原判断は正当である。
判決文から
「本件塀は,本件庁舎建物とその敷地を他から明確に画するとともに,外部からの干渉を排除する作用を果たしており,正に本件庁舎建物の利用のために供されている工作物であって」
塀を建造物の一部とする判断要素
「刑法130条にいう「建造物」の一部を構成するものとして,建造物侵入罪の客体に当たると解するのが相当であり」
塀自体が客体となるとの結論
「外部から見ることのできない敷地に駐車された捜査車両を確認する目的で本件塀の上部へ上がった行為について,建造物侵入罪の成立を認めた原判断は正当である。」
塀の上に上がるだけで罪が成立
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
