最判平成21年3月27日
譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した譲渡人は、特段の事情がない限り、特約を理由に譲渡の無効を主張できない
出題:司法H29・予備H29
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成19(受)1280 供託金還付請求権帰属確認請求本訴,同反訴事件
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 民集 第63巻3号449頁
- 参照法条
- 民法466条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することの可否
裁判要旨
譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することは,債務者にその無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り,許されない。
解説
事案
X社(被上告人。のちに特別清算開始決定を受けた)と、会員への貸付け等を目的とする法人Y(上告人)は、平成14年12月2日に債権譲渡担保契約を結んだ。内容は、YのXに対する現在・将来の貸付金債権の根担保として、XがAに対して一定期間に取得する工事代金債権(譲渡債権額1億5968万円)をYに譲渡するというものである。
XはAに対する工事代金債権(本件債権)を取得したが、本件債権にはXA間の工事発注基本契約書・約款により譲渡禁止特約が付いていた。Aは、債権者不確知を供託原因として、本件債権の額に相当する金員を供託した。
Xは、譲渡禁止特約があるから譲渡は無効だと主張し、自らが供託金還付請求権を有することの確認を求めて提訴した(本訴)。Yは、譲渡は有効だとして、Yが還付請求権を有することの確認を求めた(反訴)。原審は、特約違反の譲渡は無効でAの承諾もなく、無効を主張できるのは債務者に限られないとして、本訴を認容し反訴を棄却した。
争点
- 譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者(譲渡人)自身が、特約の存在を理由に譲渡の無効を主張できるか
判旨
原判決を破棄し、第1審判決を取り消した。Xの本訴請求を棄却し、Yの反訴請求を認容した(Yが供託金還付請求権を有する)。
規範:譲渡禁止特約は債務者の利益を保護するために付されるものである。したがって、特約に反して債権を譲渡した債権者は、特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しない。そのため、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、譲渡の無効を主張することは許されない。
あてはめ:Xは自ら特約に反して本件債権を譲渡した債権者である。債務者Aは、譲渡の無効を主張せず、債権者不確知を理由に供託している。そのため特段の事情もうかがわれず、Xの無効主張は許されない。
判決文から
「債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は,債務者の利益を保護するために付されるものと解される。」
特約の趣旨=債務者保護という出発点
「譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は,同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しない」
譲渡人の無効主張を否定する核心の理由
「債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り,その無効を主張することは許されないと解するのが相当である」
規範と例外(特段の事情)の定式
「債務者であるAは,本件債権譲渡の無効を主張することなく債権者不確知を理由として本件債権の債権額に相当する金員を供託しているというのである」
特段の事情を否定したあてはめの事実
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
