優良運転者免許証更新処分取消訴訟
一般運転者として免許更新を受けた者は、優良運転者として更新を受ける法律上の地位の回復のため、更新処分の取消しを求める訴えの利益を有する
出題:司法H23・司法H25・予備H28・予備R3・予備R6
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成18(行ヒ)285 優良運転免許証交付等請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第63巻2号299頁
- 参照法条
- 道路交通法84条1項,道路交通法92条1項,道路交通法92条の2第1項,道路交通法93条1項,道路交通法93条3項,道路交通法101条,道路交通法施行令(平成16年政令第390号による改正前のもの)33条の7第1項,道路交通法施行令(平成16年政令第390号による改正前のもの)別表第2の2,道路交通法施行規則29条8項,行政事件訴訟法9条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
自動車等運転免許証の有効期間の更新に当たり,一般運転者として扱われ,優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は,当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するか
裁判要旨
自動車等運転免許証の有効期間の更新に当たり,一般運転者として扱われ,優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は,上記記載のある免許証を交付して行う更新処分を受ける法律上の地位を否定されたことを理由として,これを回復するため,当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有する。 (補足意見がある。)
解説
事案
Xは、道路交通法所定の違反行為があったとして、免許証更新の申請手続で優良運転者ではなく一般運転者として扱われた。そのうえで、神奈川県公安委員会から、優良運転者である旨の記載のない平成16年10月5日付けの免許証の交付を受け、更新処分を受けた。
Xは違反行為を否認し、自分は優良運転者に当たると主張して、次の訴えを起こした。
- 本件更新処分のうちXを一般運転者とする部分の取消し
- 異議申立てに対する棄却決定の取消し
- 優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して行う更新処分の義務付け
第1審は、更新処分中の上記部分は行政処分に当たらないとして、各訴えを却下した。原審は各訴えを適法とし、第1審判決を取り消して差し戻した。これに対し、公安委員会側が上告受理を申し立てた。
争点
- 免許証の更新処分は抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか
- 申請を認容する処分である更新処分について、名あて人に取消しを求める訴えの利益(行政事件訴訟法9条1項)が認められるか
- 優良運転者と一般運転者の更新手続上の差異(他の公安委員会経由の申請、講習の内容・手数料)は、訴えの利益の根拠となるか
判旨
上告棄却(訴えは適法)。
処分性:免許証の更新処分は、免許の効力を時間的に延長し、適法に運転できる地位を名あて人に継続して保有させる効果を生じさせる。したがって、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たることは明らかである。
訴えの利益の出発点:更新処分は申請を認容して利益を付与する処分であるから、名あて人に取消しを求める利益を直ちに肯定することはできない。
- 他の公安委員会経由の申請の可否や、更新時講習の内容・手数料の差異は、更新処分までの手続上の要件にかかわる事項にすぎない。
- したがって、これらは訴えの利益の根拠とならない。
規範:道路交通法は、客観的に優良運転者の要件を満たす者に優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して更新処分を行うことを、その者の法律上の地位として保障している。よって、一般運転者として扱われ、上記記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は、その地位を否定されたことを理由に、これを回復するため、更新処分の取消しを求める訴えの利益を有する。
判決文から
「免許証の更新処分は,申請を認容して上記のような利益を名あて人に付与する処分であるから,当該名あて人においてその取消しを求める利益を直ちに肯定することはできない。」
申請認容処分の取消しには原則として訴えの利益がない
「それらは,いずれも,免許証の更新処分がされるまでの手続上の要件のみにかかわる事項であって,同更新処分がその名あて人にもたらした法律上の地位に対する不利益な影響とは解し得ない」
手続上の優遇措置の差異は訴えの利益の根拠にならない
「客観的に優良運転者の要件を満たす者に対しては優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して更新処分を行うということを,単なる事実上の措置にとどめず,その者の法律上の地位として保障するとの立法政策」
優良記載を受けることを法律上の地位と構成した核心部分
「免許証の更新処分において交付される免許証が優良運転者である旨の記載のある免許証であるかそれのないものであるかによって,当該免許証の有効期間等が左右されるものではない。」
有効期間に差がなくても訴えの利益を肯定した前提
「一般運転者として扱われ上記記載のない免許証を交付されて免許証の更新処分を受けた者は,上記の法律上の地位を否定されたことを理由として,これを回復するため,同更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するというべきものである。」
訴えの利益を肯定した結論部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
