浜松市土地区画整理事業計画事件
市町村施行の土地区画整理事業の事業計画決定に処分性を認め、「青写真」論の昭和41年大法廷判決を変更した判例
出題:司法H22・司法H24・司法R6・予備H29・予備R3
- 裁判所
- 最高裁判所大法廷
- 事件番号
- 平成17(行ヒ)397 行政処分取消請求事件
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 民集 第62巻8号2029頁
- 参照法条
- 土地区画整理法(平成17年法律第34号による改正前のもの)52条1項,土地区画整理法6条1項,土地区画整理法54条,行政事件訴訟法3条1項,行政事件訴訟法3条2項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象
裁判要旨
市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (補足意見及び意見がある。)
解説
事案
被上告人(市)は、遠州鉄道西鹿島線の連続立体交差事業の一環として、上島駅の高架化と駅周辺の公共施設の整備改善等を図るため、上島駅周辺土地区画整理事業を計画した。平成15年11月、旧土地区画整理法52条1項に基づき、事業計画で定める設計の概要について静岡県知事の認可を受け、事業計画の決定をして公告した。
施行地区内に土地を所有する上告人らは、本件事業は公共施設の整備改善と宅地の利用増進という法所定の事業目的を欠くなどと主張し、事業計画決定の取消しを求めた。
原審は、次のように述べて訴えを却下すべきものとした。
- 事業計画は事業の基礎的事項を一般的・抽象的に定める「青写真」にすぎない。
- 公告に伴う建築制限等は、法が特に付与した付随的効果にとどまる。
- したがって処分性はない。
争点
- 市町村施行の土地区画整理事業の事業計画決定は、行訴法3条2項の「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たるか
- 後続の換地処分等の取消訴訟で事業計画の違法を争えることは、処分性を否定する理由となるか(実効的権利救済の観点)
判旨
結論:市町村施行の土地区画整理事業の事業計画決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。原判決のうち被上告人に関する部分を破棄し、同部分につき1審判決を取り消して静岡地裁に差し戻した。
規範(答案用):
- 事業計画決定により、施行地区内の宅地所有者等は、建築行為等の規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされる。その意味で法的地位に直接的な影響が生じ、法的効果は一般的・抽象的なものにとどまらない。
- 換地処分等の段階で争っても事情判決(行訴法31条1項)がされる可能性が相当程度ある。実効的な権利救済の観点からも、計画決定段階での取消訴訟を認めるのが合理的である。
以上の理由で、最大判昭和41年2月23日と最判平成4年10月6日を変更した。裁判官全員一致である。
判決文から
「施行地区内の宅地所有者等は,事業計画の決定がされることによって,前記のような規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされるものということができ」
法的効果の直接性を基礎づける中核部分
「その法的地位に直接的な影響が生ずるものというべきであり,事業計画の決定に伴う法的効果が一般的,抽象的なものにすぎないということはできない。」
青写真論(一般的・抽象的との評価)の否定
「当該換地処分等を取り消すことは公共の福祉に適合しないとして事情判決(行政事件訴訟法31条1項)がされる可能性が相当程度あるのであり」
後続処分段階での救済が不十分である理由
「施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって,抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ,実効的な権利救済を図るという観点から見ても,これを対象とした抗告訴訟の提起を認めるのが合理的である。」
法的効果+実効的救済の二本立ての結論
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
